ムーディーズ:イタリア国債3段階格下げ、他の欧州諸国にも負の圧力

米格付け会社ムーディーズ・イン ベスターズ・サービスは4日、イタリア国債の格付けをほぼ20年ぶり に引き下げた。慢性的な低成長の下で同国政府による債務削減策が難 航するとの懸念が理由。

発表資料によると、ムーディーズはイタリアの格付けを「Aa2」 から「A2」に3段階引き下げた。アウトルックは「ネガティブ」と している。ムーディーズによる同国の格下げは1993年5月以来。米格 付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は9月20日に同 国を5年ぶりに格下げしている。

イタリア議会は先月、2013年の財政均衡を目指した540億ユーロ (約5兆5300億円)の緊縮策を最終承認した。緊縮策を受けて欧州中 央銀行(ECB)はイタリア国債を購入しており、同国債利回りは当 初こそ約100ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下したも のの、ユーロ圏の債務危機の拡大で依然として過去最高付近で推移し ている。

ムーディーズは「ユーロ圏の高債務国に対して脆弱(ぜいじゃく) な市場のセンチメントが引き続き取り巻いているため、イタリアの資 金調達コストと調達リスクの著しい増加が示唆されている」と指摘。 「ユーロ圏の将来の政策行動によって投資家の懸念が緩和され、調達 市場が安定化する可能性があるが、その逆の可能性も高まっている」 と分析した。

イタリア首相府は4日の声明で、ムーディーズの決定は「予想さ れていた」とし、「イタリア政府は予算の目標達成に向けて最大限のコ ミットメントで取り組んでいる」と表明した。

10年物イタリア国債利回りは4日に5.49%を付け、ドイツ国債と の利回り格差(スプレッド)は376bp。イタリア国債の保証コスト は年初の水準から2倍強に上昇している。

ムーディーズは別の発表資料で、最上級の「Aaa」より低い格 付けの欧州諸国が格下げとなる可能性もあると指摘。「ユーロ圏で最強 の国以外では、格付けに持続的な負の圧力を受ける可能性が大きい。 従って、ムーディーズの予想では、Aaaより低い国の中で高い格付 けを保持できる国は少なくなろう」と説明。最上級格付けの国につい ては、格下げの要因となり得る差し迫った圧力は見当たらないと付け 加えた。

今年に入ってユーロ圏諸国では、スペイン、アイルランド、ポル トガル、キプロス、ギリシャが格下げされている。

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