米国株:反発、欧州の銀行救済めぐる報道で買い-割安感も台頭

米株式相場は反発。取引終了直 前に急上昇し、日中の下げから反転した。欧州当局が銀行への資本増 強で協調する手段を検討しているとの報道が好感された。このところ の急落で割安感も台頭した。

S&P500種株価指数の銀行株指数は4.1%上昇。一時は2.9% 下げていた。バンク・オブ・アメリカ(BOA)とJPモルガン・チ ェースが上げを先導した。景気敏感株も上昇。特に化学大手デュポン やパソコンメーカー最大手のヒューレット・パッカード(HP)は大 幅反発した。アメリカン航空の親会社AMRは21%急伸。同社が破産 法申請に至る可能性は低いとのアナリストらの発言に反応した。

S&P500種株価指数は前日比2.3%高の1123.95。一時は

2.2%安と、4月に付けた年初来高値からの下落率が20%を超え、そ のまま終了すれば弱気相場入りと見なされる領域に下げていた。ダウ 工業株30種平均は153.41ドル(1.4%)上昇の10808.71で取引 を終えた。

フィラデルフィア・トラストの最高投資責任者(CIO)、リチ ャード・シーシェル氏は電話インタビューで、「欧州危機が市場に大 きく影響している」とし、「欧州が何らかの対応策で当面のあいだ持 ちこたえれば、時間稼ぎができる。08年の教訓は、金融システムがい かに重要か、波及効果がどのように広がるかということだ」と述べた。

相場は取引終了1時間前にそれまでの下げから反発。英紙フィナ ンシャル・タイムズ(FT)が伝えたところによると、欧州連合(E U)の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)は、 ソブリン債危機に歯止めをかけるために域内の協調した取り組みが必 要だとの「共通認識が高まっている」との見解を示した。一方ベルギ ーのルテルム首相は、資産規模で同国最大の銀行デクシアの不良資産 の受け皿となる「バッドバンク」を設立し、政府が保証を提供するこ とを明らかにした。

弱気相場からの反発

INGインベストメント・マネジメントで資産配分責任者を務め るポール・ゼムスキー氏(ニューヨーク在勤)は2日間で5.3%下落 した後では、S&P500種は反発して当然だと述べた。

同氏は電話インタビューで、「米国にリセッション(景気後退) の兆候は見られないにもかかわらず、市場はそれを織り込んでいた。 このため何かが起これば弱気相場からの反発が起こるという日もある」 と指摘した。

この日は世界的に株安が進んでいた。ギリシャ債の保有者は損失 負担の拡大を迫られる可能性があると一部当局者が示唆したことが背 景にある。ドイツ銀行は2011年の利益目標を撤回するとともに、 500人を削減する計画と保有ギリシャ債での追加評価損を明らかに した。欧州債務危機の影響で顧客活動の大幅減速が止まらないと説明 した。

議長発言の株価浮揚効果は一時的

S&P500種はほぼ終日下げていたが、朝方一時的に下げを埋め る場面も見られた。バーナンキFRB議長が上下両院合同経済委員会 で証言し、「景気動向の注視を続け、物価を安定させつつより力強い景 気回復を後押しするため、適切な形でさらなる行動を取る用意がある」 と語ったことが手掛かり。

この日はS&P500種の銀行株指数が4.1%上昇。BOAは

4.2%高の5.76ドル。JPモルガンは6.6%高の30.26ドルと、ダ ウ平均中で最も上げが大きかった。デュポンは4.5%高の40.23ドル、 HPは3.7%高の23.02ドルだった。

AMRは大幅反発

AMRは21%上昇。前日は同社が破産法申請を余儀なくされると の観測を背景に33%下落していた。

米アップルは3.6%安の361.23ドル。同社はこの日、多機能携 帯端末(スマートフォン)の「iPhone(アイフォーン)4S」 を発表。スティーブ・ジョブズ氏が最高経営責任者(CEO)を退い て以来、初の新製品発表となった。