UBS:7-9月小幅黒字に-売却益などが不正取引の影響抑える

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スイスの銀行最大手UBSは4日、 7-9月(第3四半期)の純損益が小幅な黒字となったもようだと発 表した。自行のクレジットスプレッド拡大で得られた会計上の利益や 保有債券の売却益が、投資銀行部門で発覚した不正取引による23億 ドル(約1800億円)の損失の影響を抑えた。

発表によると、同行はクレジットスプレッド拡大に絡み会計上で 15億スイス・フラン(約1250億円)の利益を計上する。また、ウェ ルスマネジメント・アンド・スイスバンク部門が保有していた米国債 と英国債の売却によって7億フランの利益を計上する見込み。

同行は9月に投資銀行部門での不正取引による損失を明らかにし た際、第3四半期が赤字となる可能性を示唆していた。トム・ナラテ ィル最高財務責任者(CFO)はこの日、「景気の不透明」で顧客が 取引を手控えたほか、株式相場下落によって運用資産が減少したと説 明した。

ケプラー・キャピタル・マーケッツのアナリスト、ディルク・ベ ッカー氏(フランクフルト在勤)は「第3四半期黒字のニュースは一 見したところほど良いニュースではない。通常の事業と全く無関係な ところで利益を計上しているだけだからだ」と指摘、「むしろ失望だ」 と付け加えた。

UBSは詳細な第3四半期決算を10月25日に発表する。この日 の発表では、資本基盤は堅固だとし、第3四半期の中核的自己資本(T ier1)比率は前四半期の18.1%に比べ若干の低下だと説明した。

コスト削減計画「順調」

UBSはリストラに絡み約4億フランの費用を計上することも明 らかにした。同行は8月、約3500人を削減する計画を明らかにして いる。

同行はこの日、2013年末までに年間コストを20億フラン減らす 計画が「順調に進展」しているとし、アジア太平洋地域や米州、新興 市場などの「成長地域」とウェルスマネジメント事業の世界的組織に 引き続き投資していく方針も示した。

ナラティルCFOは投資銀行部門について、「複雑さを減らし焦 点を絞る」方針を示した。バンク・オブ・アメリカ(BOA)主催の ロンドンでの会議で語った。今後は「助言と資本市場、顧客フローと ソリューション事業」に集中する方針を示し、それにより「少ないリ スクでより安定した業績を達成できる」と説明した。

「顧客の反応が表面化するのは第4四半期」

また、トレーディング損失によるウェルスマネジメント事業の資 金動向に対する「大きな影響」は今までのところ見られないとも述べ た。この日の発表によると、第3四半期のウェルスマネジメント部門 への資金流入は前期(4-6月)と同程度の純流入となった。資産運 用部門は小幅な流出だという。

ケプラーのベッカー氏は「第2四半期の資金流入は特に大きくは なかったし、トレーディング損失への顧客の反応が表面化するのは第 4四半期だろう」と指摘した。