ユーロが約10年ぶり安値更新、欧州債務危機対応進まず一時100円台

東京外国為替市場では、ユーロが 対円で約10年ぶりの安値を更新した。ギリシャ向け次回融資など欧州 債務危機への対応で進展が見られず、金融システムや世界景気への影 響波及懸念が強まっていることが背景。ユーロは対ドルでも8カ月半 ぶり安値を付けた。

ユーロ・円相場は早朝に一時1ユーロ=100円76銭までユーロ安 が進行。これは2001年6月以来の水準。ユーロ・ドル相場は一時、1 ユーロ=1.3164ドルを付け、1月13日以来のユーロ安値を塗り替え た。午後3時50分現在はそれぞれ101円30銭前後、1.3219ドル前後 となっている。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは「9月以降のユーロ の下落を見ると、ギリシャをめぐる話が堂々巡りから出ないというこ とで、もしかしたらギリシャのデフォルト(債務不履行)があるのか もしれないというところを織り込みにいった」と説明。「金融市場の現 状やソブリン問題解決の進展もあまり見られないし、ユーロ圏のGD P(域内総生産)見通しも引き下げていて、いわばリセッションとい うこともある」と話した。

一方、ドル・円相場は1ドル=76円後半で小幅な値動きに終始し、 日中の値幅は76円53銭から76円74銭と21銭にとどまった。

ユーロ、一段安後はもみ合い

前日の海外市場ではユーロが大幅続落。ギリシャ向け次回融資や 欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の再拡充などをめぐる不透 明感が嫌気された。

こうした流れを引き継ぎ、4日早朝にかけてユーロは一段安とな った。ただ、売り一巡後はユーロの下落も一服し、東京時間日中は安 値圏でもみ合う展開となった。

クレディ・アグリコル銀行外国為替部ディレクターの斎藤裕司氏 は、欧州債務問題に関する「イベントや発言がこれだけ続くと、問題 の整理に時間がかかる」とした上で、ユーロはかなり一方的に下げて いるので、「何かのきっかけで利食いも出る」と指摘。「相場が落ち着 いているというわけではなく、市場参加者は回転を効かせながらユー ロを売っている感じだ」と話していた。

欧州債務問題

3日にルクセンブルクで開かれたユーロ圏財務相会合(ユーログ ループ)は、第2次ギリシャ支援パッケージで同国債保有者が損失負 担の拡大を迫られる可能性を示唆した。ユーログループはまた、ギリ シャ融資の次回分80億ユーロの実行に関する決定を今月13日より後 に先送りした。決定の延期はこれで2回目。

一方、ドイツのショイブレ財務相は3日のユーロ圏財務相会合前 に、EFSFの規模拡大を論議するのは、合意済みの拡充策を残る3 カ国が批准してからにしたいとの意向を表明した。ユーログループに 続き、4日には欧州連合(EU)財務相理事会が行われる。

大和証券債券部担当部長の亀岡裕次氏は、次回融資の実行を決定 するためのギリシャ査察が長引いており、「なかなか順調にはいかない と言う感じ」だと指摘。また、ギリシャ救済に関して、金融機関にも 相応の負担を求めるムードもくすぶっているとし、進展しない状況が 続くと、ユーロの下値を模索する展開も続くとの見方を示した。

ギリシャなど欧州債務危機への懸念を背景に前日の米株式相場は 大幅続落。4日の東京株式相場も3日続落となった。

みずほコーポレート銀行の岩田浩二バイスプレジデント(ニュー ヨーク在勤)は、欧州の債務問題や域内金融機関のエクスポージャー に絡む問題に関する不安が未だ強い中、米株が大幅安となり、金利も 大きく低下しており、「総括すればリスク回避の典型的な相場」だと説 明。ユーロや新興国通貨が売られる一方で、ドルと円が買われ、「円が 一番強い」展開になっていると話していた。

安住淳財務相は4日午前の閣議後会見で、「極端な円高・ユーロ安 に歯止めを掛けるためにも、ギリシャ救済を市場にプロセスが見える ようにしてもらいたい」と述べ、EFSFの機能拡大など救済策を急 ぐべきだとの認識をあらためて示した。財務相は、世界経済安定のた めに極端な円高・ユーロ安は良くないとした上で、輸出産業にとって 企業努力を上回る不安定要因だとの見方を示した。

豪中銀、利下げ余地を示唆

世界景気の先行き不透明感が強まるなか、米国ではこの日、米連 邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が米上下合同経済委員 会で証言する。経済指標では8月の製造業受注が発表される。

米リッチモンド連銀のラッカー総裁は3日、規制や財政政策、労 働者のスキル不足といった要因が重なり、FRBによるさらなる緩和 策が米国の経済成長を促進しない公算が大きいとの認識を示した。

一方、オーストラリア準備銀行(中央銀行)は4日の金融政策決 定会合で、政策金利の据え置きを決定した。声明ではインフレ見通し 改善により、世界的な金融混乱が続く中で必要なら利下げする余地が あることが示唆された。

豪中銀の結果発表後、オーストラリア・ドルは対ドルで一時、約 1年ぶり安値へ下落。対円では昨年5月以来の安値を付けた。

--取材協力:油井望奈美 Editor:Masaru Aoki, Joji Mochida

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