日本株3日続落、欧州問題や景気、円高警戒-景気敏感業種に売り

東京株式相場は3日続落。欧州債 務問題を背景としたユーロ安・円高、世界景気や企業業績への警戒か ら輸出、素材関連など海外景気に敏感な業種を中心に売られた。三菱 商事が東証1部の売買代金首位で2年半ぶりの安値を付けるなど、大 手商社、業績予想の下方修正が相次ぐ海運株の下げが大きかった。

TOPIXの終値は前日比10.93ポイント(1.5%)安の736.18、 日経平均株価は89円36銭(1.1%)安の8456円12銭。日経平均は終 値で、6営業日ぶりに心理的節目の8500円を割り込んだ。

ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは、 「今の状況では秩序だったギリシャのデフォルト(債務不履行)は難 しい。可能性は少なくとも、突然の金融危機のリスクを考えると、投 資家はリスクを取れなくなっている」と話していた。

6日に開かれる欧州中央銀行(ECB)の定例政策委員会を前に、 ギリシャ向け融資の不透明感や債務危機対応をめぐる欧州各国財務相 の意見対立が嫌気され、きのうの為替市場ではユーロが下落。ユーロ は対円で2001年6月以来の安値となった。欧州問題の影響を受ける格 好で、米ダウ工業株30種平均も約1年ぶりの安値を付けた。

一方、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は3日、第2次ギ リシャ支援パッケージで同国債保有者が損失負担の拡大を迫られる可 能性を示唆。7月の支援合意では、1590億ユーロ(約16兆円)の救 済策に投資家が500億ユーロ負担する見通しが盛り込まれており、「民 間セクターの関与」には債務交換やロールオーバー(償還元本の再投 資)が含まれている。

4月以降の日中安値下抜ける場面

東京時間4日早朝にユーロ圏財務相会合の内容が伝えられて以降 も、株式市場や為替市場の動揺を抑え込むまでには至らなかった。「日 経平均先物売り・債券先物買い」の動きも加わり、日経平均は一時8359 円24銭まで下落。4月以降の取引時間中の安値である8359円70銭(9 月26日)をわずかながら下回った。「市場は欧州問題に対し抜本策を 求めており、東日本大震災直後の3月15日安値8227円に対する二番 底模索の動きが継続している」と、岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チ ーフストラテジストは見る。

こうした金融不安の高まりは、世界景気の先行きにも影を落とす。 ゴールドマン・サックス証券は3日、欧州をはじめとするグローバル 経済の失速を受け、日本経済や世界経済の予測を下方修正した。12年 暦年の日本の成長率は、従来のプラス2.6%からプラス2.2%へ見直さ れた。米国のリセッション(景気後退)入りはメインシナリオとはし ていないが、その確率を3分の1程度から40%程度へと上昇させた。

海運下落率1位、川崎船は業績減額

AMPキャピタル・インベスターズの投資戦略責任者、シェーン・ オリバー氏(シドニー在勤)によると、「欧州内での状況が悪化して、 米国も巻き込んでいくのではないかという懸念がある」という。欧州 が不況に陥り、クレジット市場が悪化し続ける状況では、「アジアへも 輸出需要が減るという面で影響が出てくる」と警戒感を示していた。

世界景気に対する不透明感から、資源関連を中心に世界景気に敏 感な業種の下落率が拡大した。東証1部業種別下落率上位はトップの 海運をはじめ、鉱業、金属製品、ゴム製品、証券・商品先物取引、鉄 鋼、卸売、機械、輸送用機器など。海運では、川崎汽船が業績予想の 下方修正を受けて急落。クレディ・スイス証券では、同社と日本郵船、 商船三井の大手3社の業績予想と目標株価をそれぞれ引き下げた。

ISM統計は予想上回る

この日の日本株は続落したが、午後後半の株価指数は下げ渋った。 米供給管理協会(ISM)が3日に発表した9月の製造業景況指数は

51.6と、前月の50.6から上昇。ブルームバーグ・ニュースがまとめ たエコノミスト予想中央値50.5を上回った。

「米国景気指標はどんどん悪化する状況にはなく、底打ち感が出 ている」と、ニッセイアセットの久保氏。現在は米景気指標の底打ち 以上に金融問題に対する不安の方が大きいとしながらも、今月中旬ま でに欧州での対策から金融不安が後退すれば、売られ過ぎの株価はフ ァンダメンタルズに回帰しそうと同氏は予想していた。

東証1部の売買高は概算で20億6924万株、売買代金は同1兆 3182億円。値上がり銘柄数は299、値下がりは1287。

--取材協力:野原良明  Editor:Shintaro Inkyo

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