債券上昇、欧州不安や10年入札結果順調で-長期金利1%割れ

債券相場は上昇。長期金利は3営 業日ぶりに節目の1%を割り込んで推移した。前日の米国市場でギリ シャの追加金融支援をめぐる不透明感から株安・債券高となった流れ を引き継いだ。午後に発表された10年債入札結果が順調だったことも 買い安心感につながった。

みずほ信託銀行債券運用部の吉野剛仁チーフファンドマネジャー は「ギリシャ支援については、10月中旬まで相次いで会合が開かれ道 筋が明確になってくるが、世界経済が持ち直すかは不透明。世界経済 の減速傾向が急速に戻る展開ではないと思う。下期入りで債券需要が 高まりやすい」と語った。

現物債市場で長期金利の指標とされる10年物の317回債利回りは 前日比1.5ベーシスポイント(bp)低い1.00%で取引開始。直後に

0.995%に下げて3営業日ぶりの1%割れとなった。午後の取引開始後 に2.5bp低い0.99%に低下。その後は0.99-0.995%で推移したが、 午後4時過ぎに3bp低い0.985%と9月27日以来の低水準を付けた。

超長期債も堅調。20年物の130回債利回りは2.5bp低い1.70%と 1週間ぶり水準まで下げた。また、30年物の35回債利回りも2.5bp 低い1.895%と1週間ぶりまで下げた。みずほインベスターズ証券の 井上明彦チーフストラテジストは、「海外市場動向を見ると売られにく い状況は変わらない。米国株が下げており、運用難の投資家から円債 に買いが入りやすい」と話した。

先物は約1週間ぶり高値

東京先物市場で中心限月12月物は続伸。前日比18銭高の142円 45銭で始まり、直後に142円62銭と9月26日以来の高値を付けた。 その後は142円50銭台で推移し、午後の10年債入札結果発表後には 142円60銭付近まで上昇。結局は27銭高の142円54銭で引けた。

3日の米国債相場は続伸。ニューヨーク連銀が長期債25億ドルを 購入したことに反応したほか、ギリシャの債務危機懸念を背景に米株 式相場が大幅続落したことが手掛かり。米10年債利回りは16ベーシ スポイント(bp)低下の1.76%。これは過去最低の1.6714%を付けた 9月23日以来の水準。

3日に開催されたユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は、ギ リシャの経済見通しの悪化で債務危機収拾に一段と大胆な措置を迫ら れる中、第2次ギリシャ支援パッケージで同国債保有者が損失負担の 拡大を迫られる可能性を示唆した。ユーログループはまた、ギリシャ 融資の次回分80億ユーロの実行に関する決定を今月13日より後に先 送りした。採決の延期はこれで2回目。当初は3日に投票が予定され ていた。

10年債入札、応札倍率が上昇

財務省がこの日に実施した10年利付国債(318回債)の入札結果 によると、最低落札価格は100円02銭となり、事前予想(100円01 銭)を上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均価格と の差)は2銭となり、前回の1銭から若干拡大。応札倍率は3.15倍と 前回の2.97倍から上昇した。

今回の10年債入札について、バークレイズ・キャピタル証券の徳 勝礼子シニア債券ストラテジストは、「10年債入札は予想よりも若干 強めの結果となった。前日に米国債相場が上昇したことに加えて、ギ リシャの財政問題が悪化しており、リスク資産が下落したことが背景 にある」と話した。また、みずほ信託銀の吉野氏は、「幅広い投資家か ら応札が集まった。1%近辺では抵抗感があるものの、分散して取り あえず買っておこうという感じ」と述べた。

日本相互証券によると、この日入札に入札された10年物の318 回債利回りは、午後の業者間取引では1.00%で寄り付いた。その後は 若干水準を切り下げ、0.995%程度で推移している。