米国債:30年債が上昇-連銀の長期債買い入れや欧州危機懸念で

米国債市場では、30年債が上昇。 利回りは2009年1月以来の低水準を付けた。ニューヨーク連銀が長 期債25億ドルを購入したことに反応した。また欧州の財政懸念も手 掛かりとなった。

ニューヨーク連銀によるオペレーション・ツイスト(ツイストオ ペ)がこの日開始され、5年債と30年債の利回り格差は過去2年近 くで最小となった。10年債利回りも低下したが、米供給管理協会 (ISM)が発表した9月の製造業景況指数が市場予想に反して上昇 したことを受けて、一時下げを縮める場面もあった。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレ ーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「米国の経 済指標は改善しているが、主な懸念は欧州の状況だ」と指摘。「IS Mが発表された時は売りが出たが、それ以降は買われている。当社は 欧州の動向を注視していく」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時 間午後4時13分現在、30年債利回りは前週末比18ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下の2.74%。同年債(表面利率

3.75%、2041年8月償還)価格は4 1/32上げて120 19/32。利 回りは一時2.73%と、ほぼ3年ぶりの低水準を付ける場面があった。

30年債利回りは第3四半期に146bp下げ、四半期ベースでは 164bp下げた08年10-12月(第4四半期)以降で最大の低下と なった。

10年債の動き

10年債は価格が1ポイント上昇し、利回りは一時15bp低下の

1.76%を付けた。これは過去最低の1.6714%を記録した9月23日 以来の低水準。5年債利回りは一時9bp低下し0.86%となった。

5年債と30年債のスプレッド(利回り格差)は189bpに縮小 し、終値ベースでは09年10月以降で最小。

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限が2036年2月から41年 8月までの米国債を買い入れた。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター兼 米国債トレーディング責任者、マイケル・フランゼーズ氏(ニューヨ ーク在勤)は「大規模な買い入れがあると分かっていれば、ショート を続けようとは考えない」とし、「積極的に出ようとする動きが見ら れる」と続けた。

ツイストオペ

連邦公開市場委員会(FOMC)は先月、借り入れコストの上昇 を抑制するため、保有する4000億ドル相当の短期債を長期債に乗り 換える措置を発表。今回はその実施第1弾となった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによれ ば、米国債の第3四半期のリターンは6.4%と、08年第4四半期以 降では最大となった。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) で世界最大の債券ファンドを運用するビル・グロース氏は、世界経済 の成長ペースは2009年に同社が予想した「ニューノーマル」の水準 を下回っており、リセッション(景気後退)に陥る恐れがあるとの見 方を示した。

同氏はPIMCOのウェブサイトに3日掲載された月間投資見通 しで、「各国のバランスシートは、今にも心臓発作を起こしそうな肥 満の糖尿病患者のようだ」と指摘。「世界の政策当局者らが、周期的 に繰り返される金融面での解決策ではなく、構造面での解決策に注力 できれば、リセッションに陥ることなくニューノーマル並みの成長が 可能かもしれない」と続けた。