ウォール街占拠デモ、大量逮捕で「ゴールデン進出」-各地飛び火の勢い

金融大手への手厚い救済政策に 抗議し格差是正を求めてニューヨークで始まったデモ「ウォール街を 占拠せよ」は週末にエスカレートし、700人余りの逮捕者を出した。 いったんは沈静化すると見られた抗議運動は活気を取り戻し、全米の 注目を浴びるようになった。

数カ月間に及ぶウォール街占拠を目指してデモが始まってから2 週間以上が経過。抗議の勢いはロサンゼルスやボストンに飛び火した。 9月30日にはボストンで、バンク・オブ・アメリカ(BOA)のビ ルのロビーから退出を拒否したとして、参加者25人が警察に逮捕さ れた。翌日10月1日のニューヨークでは、ブルックリン橋を行進し ていたデモ隊をニューヨーク市警が阻止。自動車専用道路を行進した ことが交通妨害に当たるとして、数百人を拘束した。逮捕者の一部は、 警察官がデモ参加者を歩行者用道路を歩かないよう誘導したと主張し ている。

「抗議運動の技術:市民権運動からシアトルのデモに見る文化と 行動主義(仮訳)」の著者でワシントン州立大学のT.V.リード教授 は、「ブルックリン橋の行進が大きな騒ぎになったことで、さらに何 千人という人々が抗議運動に加わる可能性が高い」と指摘した。

デモ隊が掲げるプラカードや繰り返し叫ぶスローガンには、金融 界に対する米国民の不満が込められている。金融界は経済に打撃を与 えた震源となりながら、前例のない規模の公的資金による救済を受け、 その一方で失業率は9%超と高止まりしている。規制具体化の取り組 みや、来年の選挙戦へ向けた影響力の確保を模索している金融大手を 守勢に追い込むのがデモの目的だ。

「ゴールデンタイム」

カリフォルニア大学アーバイン校の社会学教授で「抗議運動の政 治学:アメリカの社会運動(仮訳)」の著者、デービッド・メイヤー 氏は、「これでゴールデンタイムに進出だ」と述べた。抗議活動が抱 える問題は、「いかにしてニュースとしてメディアに取り上げられ、 しかも自分の過失にならないようにするか」だとしたうえで、「その 意味でニューヨーク市警は強力な手助けをしてくれたようだ」と述べ た。

ニューヨーク市警報道官のポール・ブラウン氏が電子メールの発 表で明らかにしたところでは、警察はデモ隊に歩行者専用道路に留ま るよう「複数回の警告」を発した。警告に従った参加者もいたが、一 部は自動車専用道路を歩行して交通を妨害したという。

ニューヨーク市のブルームバーグ市長は2日、ブルックリン橋で 警察庁が取った行動に支持を表明。記者団に対し「市警は職務を全う したまでだ」と述べた。さらに、ニューヨークは「個人の意見を表現 するには最適の場所だ。抗議行動は悪いことではない。しかし許可も 得ず違法行為にあたる行動をとるような権利は与えられていない」と 続けた。

同市長はブルームバーグ・ニュースを傘下に持つブルームバーグ L.P.の創設者。

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