個人所得減少が米経済のリスク要因に-消費者は支出減らす恐れ

米国では労働力人口の91%が仕事 に就いている。米国民にとってこれは良いニュースだが、所得環境は より厳しい状況を物語っている。

米商務省の先週の発表によれば、実質可処分所得は8月に0.3% 減った。マイナスはこの5カ月で3度目。同月の個人所得は2年ぶり に減少した。これにより先に米国勢調査局が公表した統計によると、 2010年の平均家計所得は4万9445ドル(約380万円)に減り、この 10年余りの最低を記録。貧困率は15.1%と、17年ぶりの高水準とな った。

ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ ザンディ氏は、給与と手当の伸びが「停滞している」と指摘、「景気回 復がもたついている主な原因の一つに実質所得の落ち込みがある」と 分析した。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長やオバマ米大統 領ら政策当局者は、09年4月以降9%付近かそれを上回る水準で推移 している失業率を押し下げることに照準を絞っているが、広範囲にわ たる所得の低迷は、リセッション(景気後退)脱却から2年経っても 経済成長を加速させることができずにいる理由をより的確に説明して いるようだ。雇用市場が力強さを増すまで労働者の賃上げ交渉力は戻 らない可能性があり、信頼感の低下で消費者が支出を減らしかねない リスクが高まっている。