米国債:PIMCOなど弱気派が「敗北宣言」、買いに転じる(1)

米パシフィック・インベストメ ント・マネジメント(PIMCO)のビル・グロース氏は8カ月前、 米国債を投資対象から外す必要があるかもしれないとしていた。同氏 は運用する「トータル・リターン・ファンド」(運用資産2450億ド ル=約19兆円)から米国債を一掃。PIMCOは3月にはデリバテ ィブ(金融派生商品)を使って米国債相場下落に賭けた。

だが今は米国債が世界最大の債券ファンドであるトータル・リタ ーンの資産の16%を占めている。米国債は7-9月(第3四半期)に ほぼ3年ぶりの高リターン(投資収益率)を記録。PIMCOのモハ メド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は9月27日のブルーム バーグのラジオインタビューで、「われわれはバランス調整を行った。 米国は『質への逃避』の恩恵にあずかっている」と述べた。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が8月 5日、史上初の米国債格下げに踏み切り、米国は最上級格付け「AA A」を失ったものの、予想以上の景気減速の中で米国債は3年間で最 大の相場上昇となり、利回りは過去最低水準に低下した。

エコノミストらは2012年3月の米国債の10年物利回り見通し を2.56%と、今年7月に示した3.75%から引き下げている。09年1 月以来の大幅な下方修正だ。

指数非連動型のファンド主要20本の資産配分を示すドイツ銀行 の指数によると、こうしたファンドは8月初め以降、米国債の割合を ベンチマークとなっているバークレイズUSアグレゲート債券指数に おける米国債のウエート34%に近づけている。

追加需要

ドイツ銀の金利調査責任者、ドミニク・コンスタム氏(ニューヨ ーク在勤)は9月26日のインタビューで、同行がデータを集計して いるファンドは10年債利回りが約2.25%に低下したときに「敗北宣 言」し始めたと指摘した。こうしたファンドマネジャーからの追加的 な需要で10年債利回りは1.25%まで低下する可能性があるという。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 米国債の7-9月期リターンはプラス6.36%と、利息再投資分を含め 08年10-12月(第4四半期)以来の大きなリターンとなった。社債 のリターンはプラス2.26%、住宅ローン担保証券(MBS)はプラス

2.32%だった。バークレイズUSアグレゲート債券指数は9月29日 までの四半期に3.8%上昇した。

ユーロ圏各国の議会が欧州金融安定ファシリティー(EFSF) 拡充を承認する可能性が高まり、10年物米国債(表面利率2.125%、 2021年8月償還)の利回りは先週8ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇、価格は24/32下落し101 27/32となった。2年債 利回りも2bp上昇し0.24%と、4月以来の2週連続での上昇を記録 した。

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