日本株続落、世界経済の減速やユーロ安警戒-景気敏感が下げ拡大

東京株式相場は続落。ドイツや中 国などの経済指標の低調で、世界景気の先行きに対する懸念が広がっ たほか、為替のユーロ安、企業業績の先行きが警戒された。海外景気 に敏感な業種、金融株などが売られ、商社や非鉄金属、海運株の下落 率は拡大した。

TOPIXの終値は前週末比14.06ポイント(1.9%)安の747.11、 日経平均株価は154円81銭(1.8%)安の8545円48銭。

みずほ投信投資顧問の柏原延行執行役員は、「欧州金融システムや 中国経済への懸念から、投資家はリスクオフ(回避)に備えようと行 動している」と指摘。資源関連株下落の要因となっている中国経済に ついては、「成長率に比べてインフレ率が高く、景気をオーバーキルす る可能性がある」と警戒感を示した。

先週末に発表されたドイツの8月の小売売上高指数は、欧州ソブ リン債危機の経済への影響を懸念して消費者の支出意欲が減退し、前 月比2.9%低下した。マイナス幅は2007年5月以来で最大。ユーロ圏 では、9月の消費者物価指数(速報値)が前年同月比3%上昇し、約 3年ぶりの高水準となった。今週は、欧州中央銀行(ECB)の理事 会が予定されているが、「インフレが予想外に強く、利下げ期待が後退 した」と、マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは言う。

また9月30日には、中国の製造業活動を示す指数が9月に3カ月 連続で50を下回るとの材料も示されていた。新規受注と輸出の低下が 指数全体を押し下げた格好で、「世界景気の減速はかなり相場に織り込 んだものの、それを打開する手立てが見えていない」と、立花証券の 平野憲一執行役員は指摘する。

ギリシャ不透明感、ユーロ安警戒

ギリシャでは30日、パパンドレウ政権の新たな賃金・年金削減策 に抗議する公務員や労働組合員が前日に続きアテネで省庁を占拠し、 デフォルト(債務不履行)回避に必要な融資の実行に向けた国際機関 の査定の進展を妨げている。

きょうの東京外国為替市場では、ユーロは一時1.3314ドルと1月 以来の安値を更新。景気や欧州問題に対する懸念から、資金を円に逃 避させる動きが優勢となり、円は1ユーロ=102円50銭台と4営業日 ぶりに103円を割り込む円高水準に振れた。

市況安嫌気、商社や非鉄、海運下げ顕著

業種別では資源関連の非鉄金属、海運、卸売が東証1部の業種別 下落率で1-3位を占めた。9月30日のニューヨーク原油先物11月 限は前日比3.6%安の1バレル=79.20ドルと、終値では昨年9月29 日以来の安値を記録。ニューヨーク銅先物12月限も2.9%安となり、 ばら積み船の運賃指標は4日続落だった。中国など世界景気の減速を 背景とした市況安が嫌気された。

東証1部売買代金上位では三井物産や三菱商事、伊藤忠商事の大 手商社がそろって大幅安。業種別下落率トップの非鉄では、住友金属 鉱山が09年4月以来の900円台まで下げ、自動車向けワイヤーハーネ スのカルテル問題が不安視されている住友電気工業や古河電気工業な ど電線大手3社も、先週末からの売りが継続した。

海運では、コンテナ船事業での欧州航路・北米航路の運賃下落や タンカー市況の低迷から、商船三井が4-9月期の連結純損益が従来 予想(10億円の黒字)から一転、170億円の赤字になったようだと30 日に発表。SMBC日興証券では、下方修正後も悪材料出尽くしとは 言い難いと指摘しており、同社株は急落。日本郵船や川崎汽船など大 手他社も、市況低迷による業績予想の下方修正懸念から売られた。

名実とも下期相場、業績警戒も

きょうの日本株は、名実ともに今年度の下期相場入りとなった。 同時に4-9月期決算の発表シーズンも接近しつつあるが、野村証券 の岩澤誠一郎チーフ・ストラテジストは、「4-9月決算シーズン直前 は下方修正が先行しやすいことに留意」が必要としている。

一方、日本銀行が朝方発表した9月の企業短期経済観測調査(短 観)によると、大企業製造業DIはプラス2(前回マイナス9)に改 善、先行きはプラス4だった。ブルームバーグが集計した事前調査で はそれぞれプラス2、プラス3と見込まれていた。11年度大企業全産 業の設備投資は3.0%増で、事前調査の4.3%増を下回った。短観の概 略について市場では、サプライズはなかったとの受け止め方が多い。

メリルリンチ日本証券の菊地正俊チーフ株式ストラテジストは、 6月時点の9月予想と9月実績を業種別で比べると電機、鉄鋼、建機 や農機が含まれる生産用機械のネガティブサプライズが大きかったと 分析。半面、造船・重機、自動車、小売、情報サービスなどはポジテ ィブだったとしていた。

東証1部の売買高は概算で19億2219万株、売買代金は同1兆 1966億円。値上がり銘柄数は249、値下がりは1354。