米モルガンSはイタリアの銀行と同程度に高リスク-CDSが示唆

世界最大のリテールブローカーを 傘下に持つ米モルガン・スタンレーは、クレジット・デフォルト・ス ワップ(CDS)市場では米、英、フランスの大半の銀行よりも信用 力が低いと見なされている。イタリアの大手銀と同程度にリスクが高 いと認識されているようだ。

CMAによると、モルガン・スタンレー債のデフォルト(債務不 履行)に備えて保証するCDSを購入するコストは456ベーシスポイ ント(bp、1bp=0.01%)と、15日時点の305bpから上昇した。 イタリアの銀行、インテーザ・サンパオロ債の保証コストは405bp、 ウニクレディトは424bpだ。

サンフォード・C・バーンスティーンのアナリスト、ブラッド・ ヒンツ氏は電子メールでモルガン・スタンレーについて、「CDSのス プレッドは投資家と債権者を神経質にさせている」と指摘した。

モルガン・スタンレー株は今週上昇したが、同社債の保証コスト は上がり続けた。株価は29日のニューヨーク市場で6.6%上昇し15.09 ドルで終了した。年初来では45%下落。

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス傘下のムー ディーズ・アナリティクスは29日のリポートで、モルガン・スタンレ ーのCDSスプレッドは格付け「Ba2」と同等の信用力を示唆して いると説明した。1カ月前には「Ba1」の水準だったという。ムー ディーズによる実際の格付けは「A2」。

ヘッジ購入を反映か

米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA)とフランスのソシエテ・ ジェネラルのCDSスプレッドはそれぞれ403bpと320bpで、ムー ディーズ・アナリティクスの銀行リスク担当アナリスト、アラートン・ スミス氏によれば、「Ba1」格付け並みの信用力。

モルガン・スタンレーのニューヨーク在勤の広報担当者、マーク・ レーク氏はコメントを控えた。

モルガン・スタンレーは金融危機の際、米連邦準備制度理事会(F RB)の緊急融資の最大の利用者だった。三菱UFJフィナンシャル・ グループからの出資も受け、同社は現在モルガン・スタンレーの筆頭 株主になっている。モルガン・スタンレーは米財務省からも資金を受 け入れたが、金利を付けて返済した。

現在のモルガン・スタンレー債の保証コストは2009年3月以来の 高水準にあるが、それでも2008年とは比べものにならない。CMAの データによれば同年10月10日には1300bpに達していた。

ヒンツ氏は、CDS市場は取引が薄い場合があり、最近のモルガ ン・スタンレー債のスプレッド上昇は大手のカウンターパーティー1 社がヘッジを購入したことを反映しているのかもしれないと指摘した。

スミス氏は電話インタビューで、CDS市場には「債券市場や株 式市場など他の市場にはないような」性質があるとして、モルガン・ スタンレー債のCDSを売買する市場参加者が少ない場合は「不釣り 合いなほどのスプレッド変動」が起こり得ると説明した。

ブルームバーグのデータによると、モルガン・スタンレー株の過 去3カ月の1日当たり平均取引高は2700万株だが、ニューヨーク連銀 が今週発表した3カ月のデータによれば、大半のCDSの個別銘柄の 取引は平均で1日1回未満、最も取引される銘柄でも1日20回強だと いう。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE