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GPIF:新興国株に年内投資へ、13兆円の一部シフト-三谷理事長

世界最大の運用規模を持つ日本の年 金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、年内にも初めて新興国 株式への投資を開始する。欧州債務危機を受けた世界的な株安に連れて 株価が値下がりした新興国市場は成長性などの観点から有望で、割安感 が生じている今はその好機と捉えて運用に乗り出す。

GPIFの三谷隆博理事長(62)は、27日のブルームバーグ・ニュ ースとのインタビューで、新興国株運用の受託先選考が最終段階にある ことを明らかにした上で「新興国の株価も下落しきており良いころだ。 おそらく年内から始める」と述べた。外国株式で運用する約12兆8000 億円(6月末)の一部を主要国などから新興国にシフトする。

三谷氏は、「時価総額は大きくなっているが、実際の売買は先進国 ほど簡単にできるわけではない。ちょっとずつやっていく」とし、新興 国の経済や企業を熟知した金融機関などに運用を委託していく方針を 示した。MSCI新興国市場指数を指標に運用する計画だ。

ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカのBRICSや、そ の他のアジア、東欧など21カ国の約830銘柄で構成するMSCI新興 国指数は年初来から約23%下落している。これに対してMSCI世界指 数は12.6%の下落にとどまり、新興国株の下落が際立っている。GPI Fでは新興国市場の流動性も考慮し、慎重に投資を始める。

GPIFの積立金の運用(資産配分)は政府規定により現在は、国 内債券が67%、国内株式11%、外国債券8%、外国株式9%、短期資 産5%と決められている。6月末の運用資産額は113兆7500億円。4 -6月期の運用利回りは0.21%だった。規定の変更には一定の手続きが 必要となる。

東電「社債権者」の扱いに懸念

東京電力原発事故の補償で債権者にも負担を求める姿勢の枝野幸 男経済産業相の発言について三谷氏は「われわれは優先弁済権があると いう法律(電気事業法)に基づき東電の社債を買っている」と強調。枝 野氏の言う「債権者とは『社債権者』まで念頭にあるのか」と扱いに懸 念を示した。東電には約4兆7000億円もの社債発行残高がある。

一方、未公開株(PE)、ヘッジファンド、不動産投資などオルタ ナティブ(代替)投資ついては「株のボラティリティー(変動率の大き さ)を相殺するようなもの」への投資を念頭に検討しているという。た だ、GPIFの投資が市場に与える影響の大きさなども考え「それなり の勉強をして相当慎重にやらないといけない」と述べた。

三谷氏は年金受給の増加に応じて2009年度から始めた資産の取り 崩しに関連し、「キャッシュアウトする際に必要額をすべて売っている と市場に圧力がかかる」と述べ、償還まで1年未満の国内債券の一部を 「満期保有」に区分変更していることを明らかにした。償還を待ち計画 的に現金化して、市場を圧迫しないように配慮する。

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