ニュージーランド、AAA格付け失う-国債利回り1年ぶり大幅上昇

格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)とフィッチ・レーティングスは、最上級の 「AAA」を付与していたニュージーランド(NZ)自国通貨建て 債務を格下げした。自国通貨建て債務「AAA」格付けを引き下げ られた国は、アジア太平洋地域では過去10年で同国が初めて。これ を受け、NZ10年物国債利回りは約1年ぶりの大幅上昇となった。

S&Pは30日の発表資料で、NZの自国通貨建て長期格付けを 「AAA」から「AA+」に、外貨建て長期格付けを「AA+」か ら「AA」にそれぞれ1段階ずつ引き下げたことを明らかにした。 見通し(アウトルック)は「ステーブル(安定的)」としている。フ ィッチは29日に格下げを発表した。両社は共に、政府と家計の債務 増大を懸念材料に挙げている。

S&Pは発表資料で格下げの理由について、「地震に伴う歳出圧 力と成長支援のための財政刺激策でニュージーランドの財政状況は 弱まっており、こうした中で同国の対外的なポジションは一段と悪 化する可能性があると判断した」と説明した。

利上げ遅らせる要因か

NZドルはウェリントン時間午後3時3分(日本時間午前11 時3分)現在、1NZドル=0.7690米ドルに下落。前日のニューヨ ーク市場では0.7710米ドルだった。NZ10年国債利回りは12ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.43%と、2010年9 月6日以来の大幅上昇。

ゴールドマン・サックス・アンド・パートナーズ・ニュージー ランドのエコノミスト、フィリップ・ボーキン氏は顧客向けリポー トで、今回の格下げで「資金調達への圧力が強まれば、金融市場の 状況は一段と引き締まり、NZ準備銀行(中央銀行)が利上げを遅 らせる主な要因の一つとなるだろう」と指摘した。

スペインを下回る

フィッチは、NZ外貨建て格付けを上から3番目の「AA」に 引き下げた。これは日本やクウェートと同レベルで、スペインやオ ーストラリアを下回る。ムーディーズ・インベスターズ・サービス は、NZの自国通貨建て・外貨建て債務の格付けを共に最上級の「A aa」としている。

フィッチによると、NZの対外純債務は昨年末時点で米ドル建 て国内総生産(GDP)の83%に上るが、AA格付けの国の中央値 は10%だという。経常赤字は2012年に対GDP比4.9%、13年に は同5.5%に拡大する見込みだとしている。

同社はその上で、NZ政府が15年に財政収支を黒字に戻す目標 を掲げていることが同国の格付けを引き続き支えているとの見解を 示した。