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UBS:不正取引での損失発覚、かつて首位の富裕層向け事業に打撃か

投資銀行部門の不正取引で巨額の 損失を出したスイス最大の銀行UBSは、富裕層向け資産運用市場で 世界一の座を取り戻すのに苦しみそうだ。

富裕層の顧客がUBSに今年1-3月(第1四半期)に託した新 規資金は229億スイス・フラン(約1兆9500億円)。2010年6月まで の9四半期では差し引き1987億フランの引き出しだった。

信用危機の間に米バンク・オブ・アメリカや米モルガン・スタン レーがUBSを抜き去った。記録的な評価損計上に加え、UBSが米 国の顧客の脱税を手助けした疑いがあるとして米当局が調査を進めた ことが響いた。

オズワルド・グルーベル最高経営責任者(CEO)辞任につなが った不正取引に伴う23億ドル(約1800億円)のトレーディング損失 で、UBSでは富裕層を対象とするウェルスマネジメントと投資銀行 という主要2部門の亀裂が深まっている。グルーベル氏はウェルスマ ネジメント部門に対し投資銀行部門との関係を強化するよう求めてい た。

コリンズ・スチュアート・ホークポイント(ロンドン)のアナリ スト、マシュー・ツェプリビィクツ氏はインタビューで、「UBSの信 認が数年間のうちに3度、打撃を受ける事態となった」と指摘、「特に クレディ・スイスやこうした市場での躍進を目指す外国の銀行といっ た他の便利な選択肢がある限りは、資金が他の金融機関に流れるリス クがある」と述べた。

UBSが08年10月にスイス政府の救済を受けて以後、同行と同 じチューリヒに本店を置くクレディ・スイス・グループは1257億フラ ン相当の資産を集めている。

UBSの広報担当イブ・カウフマン氏は、「状況を見守っている が、大きな資金流出は一切見受けられない」と述べている。不正取引 での損失発覚後に顧客が資金を引き揚げたかとの質問に答えた。

調査・業界分析を提供するスコーピオ・パートナーシップ(ロン ドン)によると、昨年末時点での富裕層顧客の運用資産は、UBSが 1兆5600億ドルだったのに対して、バンク・オブ・アメリカは1兆 9500億ドル、モルガン・スタンレーは1兆6300億ドルだった。

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