債券は反発、超長期債などの需要が支え-先物取引1カ月半ぶり低水準

債券相場は反発。朝方は前日の米 国市場で株価が反落し、債券が下げ幅を縮めた流れを引き継いで買い が先行した。その後は現物債市場で超長期債などに買いが入ったこと などが相場を支えた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、全般的に取引が低調だったと指摘した上で、「きのう超長期債 が売られて利回り曲線が傾斜化した反動のほか、決算期末に向けた調 整の買いも入っている」と説明した。

東京先物市場で中心限月12月物は3日ぶりに反発。前日比7銭高 の142円52銭で取引を開始し、直後にこの日の高値142円54銭を付 けた。しかし、午後に入って日経平均株価が上昇に転じると伸び悩ん で、結局は3銭高の142円48銭で引けた。

12月物の日中売買高は8742億円となり、中心限月ベースでは2009 年以降でもっとも少なかった8月15日(8701億円)以来、約1カ月 半ぶりの低水準だった。SMBC日興証券の山田聡チーフクオンツア ナリストは、「新規材料はなく決算期末を控えて動きは乏しく方向感は 出ていない」と語った。

長期金利は1%付近で推移

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の317回債利回 りは、午前10時半過ぎにようやく前日比0.5ベーシスポイント(bp) 低い0.995%で始まった。その後は0.995-1.00%の狭い値幅での推移 が続いている。

20年債相場が堅調。20年物の130回債利回りは前日比1.5bp低い

1.715%に低下。前日の取引では1.73%と21日以来の高い水準まで売 り込まれており、その反動の買いが入った。

朝方は買いが先行した。SMBC日興証の山田氏は、「きのうの米 国市場で株価が下落したことを受けて、日本の株価も下げて始まり、 債券相場は小反発した」と話した。28日の米株式相場は反落。ギリシ ャ債務危機への対応をめぐり欧州首脳らの間で意見が分かれているこ とへの懸念が売り材料となった。S&P500種株価指数は前日比2.1% 安の1151.06。一方、米国債相場は下げ幅を縮める展開。米5年債入 札(発行額350億ドル)が手掛かり。最高落札利回りは過去最低とな った。

こうした中、フィンランド議会は29日、欧州金融安定基金(EF SF)の機能拡充を承認し、17カ国中、9番目で批准された。29日は ドイツ議会で採決が行われる。第一生命経済研究所の田中理主任エコ ノミストは、「EFSFの修正案は全ての参加国の賛成を取り付ける必 要がある。最大の関門は29日のドイツ議会の採決だが、10月初旬の オランダ、11日のスロバキアの採決も、各国の政治事情と絡み安心は できない」と指摘した。