米国株:4日ぶり下落、危機対応めぐる欧州の足並み乱れを懸念

米株式相場は反落。S&P500 種株価指数は4日ぶりに下落した。ギリシャ債務危機への対応をめぐ り欧州首脳らの間で意見が分かれていることへの懸念が売り材料だっ た。

S&P500種産業別10指数はすべて下落。特に景気敏感株が 下げた。商品相場の下げを背景に、化学のダウ・ケミカルやアルミ生 産のアルコアも安い。米銀モルガン・スタンレーやバンク・オブ・ア メリカ(BOA)を中心に金融株が下落。一方、オンライン小売りの アマゾン・ドッド・コムは上昇。同社は電子書籍端末「キンドル」の 最新機種を発表した。米アップルの人気商品であるタブレット端末 「iPad(アイパッド)」に挑む。

S&P500種株価指数は前日比2.1%安の1151.06。一時は

0.8%高まで上昇する場面もあった。ダウ工業株30種平均は

179.79ドル(1.6%)下げて11010.90ドル。全構成銘柄が下落 した。

オークブルック・インベストメンツで約26億ドル相当の資産 運用に携わるピーター・ジャンコブスキス氏は、「誰もが欧州の動き を一番注目している。欧州から出てくる材料は相場に大きく響く」と 述べ、「欧州発の弱材料は世界中の株価を押し下げるだろう」と続け た。

先週の4日連続安で米株式市場では時価総額1兆ドルが吹き 飛んだ。ギリシャはデフォルト(債務不履行)を回避できず、欧州は その悪影響を封じ込めることができないとの懸念が背景。S&P500 種に採用されている銘柄の株価収益率(PER、過去1年間の実績ベ ース)は12.4倍。過去9度の弱気相場中に記録した最低値の平均を さらに4.4%下回る水準だ。ブルームバーグのデータが示した。

ギリシャ対応めぐる対立

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会はギリシャ国債 を保有する銀行に求める損失負担を7月21日の首脳合意よりも拡大 させる案に抵抗している。欧州の当局者が明らかにした。

当局者が匿名を条件に述べたところによると、一部の政府当局 者らはギリシャ債のより大幅な「ヘアカット」(債務減免)を銀行に 迫る案を示しているが、欧州委はこれに否定的で、そのような試みに ついての協議も望んでいないという。

S&P500種は前日までに3営業日続伸、ユーロ諸国が域内債 務危機の沈静化に向けた取り組みで前進しているとの楽観が広がった。

この日は耐久財受注統計を好感し、買いが先行した。8月は航 空機を除く非国防資本財(コア資本財)が前月比で1.1%増加と、5 月以来の高い伸びを示した。また、耐久財受注額全体では前月比

0.1%減と、予想を下回る減少にとどまった。

素材株が下落、アマゾンは2.5%高

S&P500種産業別10指数のうち、素材株が4.5%安と最も 下げた。商品19銘柄で構成するロイター・ジェフリーズCRB指数 は2.5%低下。景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シク リカル指数は、3.3%下げた。ダウ輸送株平均は2.9%安。

アルコアは4.9%安。ダウ・ケミカルは6.2%の値下がり。

KBW銀行指数は3.5%低下した。モルガン・スタンレーは

5.4%安、BOAは4.9%下落した。

アマゾンは2.5%高。同社はアイパッドよりも小型で価格が半 分以下の「キンドル・ファイアー」を発表。アマゾンのジェフ・べゾ ス最高経営責任者(CEO)は、電子商取引での同社の優位な立場を 生かせばアップルのiPadに太刀打ちできるとみている。ヒューレ ット・パッカード(HP)やリサーチ・イン・モーション(RIM) などアップルと競合する企業がタブレット市場に投入した商品は期待 外れに終わっている。