【クレジット市場】日本の社債発行が復調-欧州懸念や低利回りで

日本企業の社債発行は7-9月 (第3四半期)に持ち直し、半期としては5年ぶり低水準だった1- 6月(上期)から復調の動きが見られた。欧州の債務危機で資金調達 が難しくなるとの懸念や、昨年10月以来の低利回りが発行体を引き 付けた。

ブルームバーグのデータによると、第3四半期の社債発行額は2 兆1720億円と、4-6月(第2四半期)から17.5%増加。上期の 発行額は2006年7-12月(下期)以来の低水準だった。バンク・ オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、日本で発行 される電力会社と銀行を除く社債の利回りは26日に0.577%と、 11カ月ぶり水準に低下した。今年に入り最も高かったのは2月16 日で0.827%。

SMBC日興証券の阿竹敬之チーフクレジットアナリストは27 日のインタビューで、「グローバルな金融システムがどうなるのかと いう不安があり、今後資金調達がどうなるかわからないのだろう」と し、「起債環境もかなり良好なので、発行体としては先に調達してお こうと考える」と指摘した。

世界経済をめぐる懸念は強まっている。国際通貨基金(IMF) は先週、世界経済の成長見通しを下方修正するとともに、欧州が債務 危機を封じ込められなかったり、米国で財政赤字の削減計画をめぐる 交渉が行き詰まれば「深刻」な悪影響が生じると指摘した。日本銀行 は今月の金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決定した。

利回り

BOAメリルリンチの米社債マスター指数によると、米国の社債 利回りは27日に3.97%で、第3四半期入り後で8ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇した。また同社のEMU社債指数 によれば、欧州の社債利回りは42bp上げて4.47%となった。

ブルームバーグのデータによれば、京阪神不動産や食品スーパー を展開するバロー、森精機製作所などが第3四半期に社債を発行した。

京阪神不動産は5年債で発行額は70億円。利率は0.97%で円 スワップレートを40bp上回る。バローの5年債は利率が0.87%、 森精機は利率0.545%で、同年限の国債とのスプレッドはそれ ぞれ30bp、19bp。

JR東日本

上場企業としては売上高で世界最大の鉄道会社、JR東日本は第 3四半期、金融機関以外では最大の社債発行体となった。ブルームバ ーグのデータによれば発行額は計1000億円で7月8日に600億円、 9月2日に400億円発行した。

同社の広報担当、朝倉聡彦氏は「世界的な景気減速懸念や日本銀 行の追加金融緩和を背景に、金利は依然として歴史的に低く推移して いる」とした上で、「当社の資金ニーズと投資家の需要を総合的に勘 案して起債を決めた」と話した。

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