プリンストン債事件アームストロング氏、ブログで景気予測-刑期終え

マーティン・アームストロング氏 は独学のエコノミストだ。米ペンシルベニア州フィラデルフィア市役所 の向かいにあるほとんど何もないオフィスで、インターネットを利用し て支持者を増やし始めている。同氏は、1999年のプリンストン債事件 で日本の投資家に7億ドル(現在のレートで約540億円)の被害を及ぼ した詐欺罪と1500万ドルの資産を規制当局に届け出ず隠した罪で11 年間服役した。悔悟の念の見られない元犯罪者でもある。

アームストロング氏の見解では、景気の波は時計仕掛けのように

8.6年ごとにやって来る。重要なのは予測家としての経歴であり、犯罪 歴ではない。1989年の日本株式市場急落前のピークを指摘する際にも 利用したモデルを使って、98年のロシア金融市場崩壊を予想した。

最近は欧州のソブリン債危機により世界の市場が混乱する中、アー ムストロング氏は読者に対し、97年10月に自身が示した予測を思い出 すよう促した。それは、ユーロ通貨の誕生は「通貨投機を債券投機に移 行させるに過ぎず」いずれシステムの崩壊につながる、というものだ。

アームストロング氏は3月に釈放されて以降、初めてインタビュー に応じ「97年に私が書いた事は全て現実になっている」と指摘。ウェ ブサイトでは99年の自身の起訴について「日本での事業に関連したば かげた事実無根の容疑」に基づくものだと主張している。

この主張は、同氏について、史上最大規模のねずみ講の1つを行っ たと指摘した検察官や、詐欺師と呼んだ連邦裁判所の判事とは異なるも のだ。エコノミストらは同氏の景気循環理論を否定している。

景気循環について研究しているコーネル大学のカレル・マーテンズ 教授(経済学)は「アームストロング氏の8.6年で景気が循環するとい う理論は、米国の直近の3回のリセッション(景気後退)の時期と大ま かに一致するかもしれないが、それだけのことだ。数占いのようなもの だ」と語る。

ウェブでのコメント

アームストロング氏(61)は批判されてもくじけたりはしていな い。携帯電話で文章を手早く打ち込んでいたが、今ではオンラインでリ ポートを発表しており、数世紀にわたる資本移動や通貨の価値低下に関 する調査に関心を持つ読者を引き付けている。

アームストロング氏は米グーグルの分析機能、グーグル・アナリテ ィクスを利用した景気予測ページ「martinarmstrong.org」でリポ ートを提供し、先月の閲覧数は20万件を超えた。グーグルは、閲覧数 に関する統計はウェブサイトの所有者にのみ提供しているとしてこの統 計を確認することを断った。

サンフォード ・C・バーンスティーン(ニューヨーク)の元商品 アナリストで現在は自身の資金を運用するマイケル・クリーガー氏は 「彼は天才だ。多額の資金を支払っても一緒に仕事をしたいと望む人々 が世界中にたくさんいるだろう」と語る。

商品投資家でロジャーズ・ホールディングス(シンガポール)会長 のジム・ロジャーズ氏は「歴史的知識と洞察」のために時折アームスト ロング氏のリポートを読んでいると述べた。ただ、アームストロング氏 の景気循環理論には注意を払っていない。

アームストロング氏はニュージャージー州出身で大学は卒業してい ない。1970年代に1683-1907年の金融恐慌が平均3141日間隔で発 生していることを発見した際に「コンフィデンス・サイクル」の理論を 構築したと話す。後に、この数字が円周率の1000倍に相当することに 気付いたという。

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