【M&A潮流】株安の米ネットフリックス、アマゾンなどの買収標的に

米オンラインと郵送によるDVD レンタルの米ネットフリックスの株価は、7年間で最大の下げを記録 した。アマゾンやグーグルなどにとっては、57%安い価格で買収でき ることになった。

ネットフリックスの株式時価総額は7月以来、90億ドル(約6870 億円)近く減少した。サービスの値上げや、DVD郵送レンタル事業 の名称をクイックスターに変更したことを受け、客離れや投資家離れ が起きたことなどがきっかけだ。ブルームバーグのデータによると、 ネットフリックスの先週の株価は129.36ドルと、過去最高値の半分ま で下がっていた。

ネットフィックスは値上げで米国の契約者を50万人以上失った かもしれないが、有料で映画・テレビ番組を視聴する同社の顧客数は、 まだアマゾンやグーグル、ソニーよりも多い。米ウェドブッシュ証券 とブルームバーグが集計したデータによると、アマゾンはネットフリ ックスのインターネットで映画を配信するストリーミング事業に対し、 50%価格を上乗せしても、同社全体を2週間前より26%安い価格で買 収できる。

ハイマーク・キャピタル・マネジメントのファンドマネジャー、 トッド・ローエンスタイン氏は電話インタビューで、「魅力的な資産 だ」と指摘。「特に株価の大幅な下落を考えると、関心のある企業は注 目するかもしれない」と述べた。

上昇と下落

26日のニューヨーク市場でネットフリックスは2.2%高の132.22 ドル。同社は、映画「マダガスカル」や「シュレック」などを制作し たドリームワークス・アニメーションSKGの映画を配信する権利を 確保したと発表した。

ネットフリックスの6月末時点のユーザー数は2460万人。同社の 株価は過去5年間で1000%以上上昇し、7月13日には過去最高値

298.73ドルを記録した。

ネットフリックスの株価は昨年、3倍以上も上昇し、S&P500 種株価指数の構成銘柄で最大の上昇を記録した。ブルームバーグのデ ータによると、同社の過去1年間の株式資本利益率(ROE)は84%。 S&P500種指数の構成銘柄は平均15%だった。

オンライン配信とDVDレンタル双方の顧客向け料金を60%値上 げしたことに顧客が反発、さらに映画チャンネルのスターズとの交渉 決裂、米衛星テレビ会社ディッシュ・ネットワークがブロックバスタ ー・ムービー・パスと共同で競合サービスを開始したことなどが打撃 となり、7月以来、ネットフリックス株は急落した。

フールーへの買収提案

ネットフリックス株はこの2週間で下落が加速。同社が契約者数 予想を引き下げ、リード・へイスティングス最高経営責任者(CEO) がDVDレンタル事業を分離し名称を変更したことを受け、21日まで の5日間では38%も下げた。

ネットフリックス株の下落を受け、アマゾンやグーグルなど市場参 入を目指す企業は、独自にサービスを開始するよりもネットフリック ス買収を検討する可能性がある。事情に詳しい関係者が2日に明らか にしたところによると、両社は米テレビ番組ストリーミング配信のフ ールーに既に1回目の買収提案を行ったという。

ウェドブッシュ証券のアナリスト、マイケル・パッチャー氏は、 へイスティングスCEOが事業を分離したのはストリーミング事業を アマゾンに売却するためかもしれないと予想している。同氏は先週、 ネットフリックスの格付けを「アウトパフォーム」に引き上げた。

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