フランス国債支える絶対王政の遺産-借り入れコスト、年初よりも低下

【記者:Mark Deen】

9月27日(ブルームバーグ):フランス政府が支払う借り入れコス トは現在、今年初めよりもむしろ低下している。財政赤字を削減する 政治的なコンセンサスだけでなく、絶対王制を築いたルイ14世の治世 以前にさかのぼる政府の中央集権的システムがコスト低下に役立って いる。

ギリシャやイタリアの政治的動揺や債務危機からの安全な逃避先 を投資家が求める中で、フランスの10年国債利回りは今年1月初めの

3.4%から2.6%に低下。ユーロ導入後で最も高かった2000年1月18 日に記録した5.76%の半分以下の水準にとどまっている。

ソシエテ・ジェネラルのエコノミスト、ミシェル・マルティネス 氏は「フランスという国家には何世紀にもわたって略奪的な性格があ る」とし、「政府が何かやると決めれば、それは必ず実現する。実行に 伴うリスクがある国ではない」と話す。

欧州の高債務国関連のエクスポージャー(リスク資産)が最も大 きいフランスの金融機関をめぐる懸念や景気の減速を受けて、フラン ス国債のドイツ国債に対する上乗せ利回り(スプレッド)は拡大し、 フランスの債務返済コストは今年、英国を上回っている。しかし、最 上級「AAA」格付けを維持するユーロ圏諸国が6カ国しかなく、代 替投資先が限られることは、フランスが世界的に見ても最も低い水準 の信用コストの恩恵を今後も享受できる可能性を示している。

中央集権的な徴税マシン

ノムラ・インターナショナルのインフレ戦略責任者ローラン・ビ ルケ氏(ロンドン在勤)は「長短のあらゆる選択肢が完備し、規模と 流動性を備えた代替市場は多くない。フランスは投資家に選択の余地 がない『とらわれの市場』であり、リスク回避傾向が極めて強いこと を考えると、現在のような状況が今後も続く可能性がある」との見方 を示す。

フランスはまた、ギリシャと異なり、税収で苦しんではいない。 経済成長が政府予測に届かなかったにもかかわらず、今年1-7月の 税収は1606億ユーロと前年同期の1597億ユーロ、2009年1-7月の 1338億ユーロをいずれも上回った。政府は国内総生産(GDP)の49% 余りを税金として徴収し、予算の12%を利払いに充てている。

ソシエテのマルティネス氏は「政治的選択がいったん行われれば、 非常に強力なマシンが作動する。中小企業を見れば分かるが、税務調 査官は恐れられており、脱税のリスクを冒そうとする会社はほとんど ない」と述べている。