コンテンツにスキップする

日本株は半年ぶり上昇率、欧州不安和らぎ素材や輸出買い-終盤高

東京株式相場は3営業日ぶりに反 発し、TOPIX、日経平均株価ともに終値ベースで3月22日以来、 約半年ぶりの上昇率を記録した。欧州政策当局が追加金融緩和措置を 講じるとの観測などから、世界景気や金融システムへの過度な不安感 が後退。ゴム製品や繊維など素材関連、機械や精密機器など輸出関連 といった景気敏感業種を中心に幅広く買いが入った。

TOPIXの終値は前日比19.70ポイント(2.7%)高の748.55、 日経平均株価は同235円82銭(2.8%)高の8609円95銭。日経平均 は、心理的節目の8500円を回復した後はやや上値の重い展開が続いて いたが、終盤にかけて先物主導で徐々に水準を切り上げた。

BNPパリバ・インベストメント・パートナーズの清川鉉徳執行 役員は、目先の懸念となっている欧州をめぐって「好材料が出て、買 い戻しやすくなった。株価は底を打ってもおかしくはないが、欧州に おいて各国の事情が優先され、協力して問題が解決されなければ、大 変なことになるだろう」と話していた。

欧州中央銀行(ECB)が来週開催する10月の政策委員会では、 カバード債の購入再開を協議するほか、1年物資金供給オペの再開や 現時点では議題に含まれていない利下げも協議される公算が大きい、 という。ユーロ圏の中央銀行当局者がブルームバーグに対し明らかに した。ECBの広報担当官は、この件について言及を避けた。

一方、BBC放送(電子版)が国際通貨基金(IMF)からのリ ポート内容に言及して報じたところによると、欧州各国政府によるユ ーロ圏高債務国の大掛かりな救済策の概要が具体化しつつあり、これ にはギリシャ債務の50%減免が含まれる見通し。新たな救済策は、救 済基金の規模を2兆ユーロに拡大することも想定、各国政府は5-6 週間以内の合意を目指しているという。

ユーロ安一服、権利付き最終売買日

政策進展期待で欧州の過度な金融不安、世界景気への悪影響を懸 念する動きが後退し、前日の欧米株式は上昇。日本時間27日の東京外 国為替市場では、前日に対円で1ユーロ=101円94銭まで下落し、2001 年6月以来の安値を付けたユーロが103円台中盤まで戻した。国際商 品市況も原油先物中心に反発し、海外株式や為替、商品の安定が好感 され、素材や輸出、資源関連、金融など幅広い業種が上昇。

終盤にかけては、韓国や香港など世界景気の動向に敏感なアジア 各国の主要株価指数が大幅に上昇した影響などから、日経平均も徐々 に水準を切り上げた。韓国総合株価指数は一時5%高、香港ハンセン 指数は3.2%高まであった。さらにこの日の東京市場は、3・9月決 算企業の権利付き最終売買日で、配当権利取りの買いが断続的に入っ ていたことも、反発基調を強める一因だった。

ただ、長期的な株価のトレンドを決める米国の景気減速懸念は改 善する兆しが見えておらず、継続的な上昇を見込む市場関係者は多く ないようだ。米商務省が26日に発表した8月の米新築住宅販売は、前 月比2.3%減の29万5000戸と6カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。ま た、米シカゴ連邦準備銀行が発表した全米活動指数はマイナス0.43 と、2カ月ぶりに低下した。

買い戻しの範ちゅう

大和証券投資情報部の西村由美シニアマーケットアナリストは、 きょうの相場を「アジア株高やユーロの底堅い動きを好感した」と分 析。ただ、「あくまでも前日まで売られた分の買い戻しの範囲内の動き で、一進一退の展開は続く」とみている。しんきんアセットマネジメ ントの山下智巳主任ファンドマネージャーも、米国の景気後退 は相場 にまだ織り込んでいないとし、「中長期的には不確実性が高く、損をし ないレベルではない。機関投資家は買いにくい」としていた。

機械指数を構成する118銘柄中111銘柄が上げ、機械指数は東証 1部の業種別上昇率で2位となった。輸出関連全般が高くなる中、ク レディ・スイス証券が中国の上海や北京などにある7社の生産販売・ 販売拠点を訪問し、中でも順調な印象だったと評価したSMCやマキ タ、NTNが高かった。

また、あす28日から日経平均に新規採用されるアマダは、指数連 動型ファンドなどの買い需要から急伸。業種別上昇率トップのゴムで は、独立系調査会社のTIWが「中立プラス」の投資判断を維持した 横浜ゴムが高い。一方、東京電力やソフトバンク、ディー・エヌ・エ ーなどは安かった。

東証1部の売買高は概算で18億8390万株、 売買代金は1兆1931 億円。値上がり銘柄数は1535、値下がり87。東証1部業種別33指数 はゴム、機械、繊維、ガラス・土石、精密、非鉄金属、電機など32 業 種が上昇。下落は空運の1業種のみだった。国内新興市場は、ジャス ダック指数が前日比1.9%高の47.93、東証マザーズ指数が同2.3%高 の383.48とともに反発した。

--取材協力:野原良明  Editor:Shintaro Inkyo

参考画面: 記事についての記者への問い合わせ先: 東京 岩本正明 Masaaki Iwamoto +81-3-3201-8343  miwamoto4@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net 香港 Nick Gentle +852-2977-6545 ngentle2@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE