ECB:カバード債購入再開を来週検討、1年物資金供給も-関係者

欧州中央銀行(ECB)は来週 開催する10月の政策委員会で、カバード債の購入再開を協議する公 算だ。金融環境を緩和させるための他の追加措置も検討される見込み。 ユーロ圏の中央銀行の当局者が明らかにした。

当局者が匿名を条件に述べたところによると、ECBは10月6 日の政策委で1年物資金供給オペの再開も検討する。現時点では議題 に含まれていないものの、利下げも協議される公算が大きいという。

債務危機が悪化しギリシャがデフォルト(債務不履行)の危機に ひんする中で、欧州当局に対応を迫る圧力が強まっている。短期金融 市場の逼迫(ひっぱく)傾向を受け、ECBは利下げより前に非標準 的措置を試みる可能性が高い。主要政策金利であるリファイナンスオ ペの最低応札金利を引き下げずに下限政策金利である中銀預金金利を 引き下げることには合理性がないと当局者は指摘した。ECBは今年 2回の利上げで主要政策金利を1.5%としている。

ECBは昨年6月まで1年間のプログラムでカバード債600億 ユーロ(約6兆1900億円)相当を購入した。銀行の手元流動性を高 め融資を促すことが目的だった。

オーストリア中銀のノボトニー総裁とベルギー中銀のクーン総裁 は先週、ECBが早ければ10月にも成長てこ入れで行動する可能性 に言及。市中銀行への1年物融資の再開を選択肢に挙げた。ECBが 最後に1年物資金入札を実施したのは2009年12月。

プレミアムが拡大

ECBは8月に、流通市場での国債購入も再開した。イタリアと スペインの借り入れコスト引き下げが狙いだった。

住宅ローンや公的部門向け融資を裏付けとしたカバード債は欧州 の不動産融資を支えている。08年9月の米リーマン・ブラザーズ・ ホールディングス破綻後の融資低迷を受けて、ECBはカバード債購 入を開始。プログラムは昨年終了したが、市場では緊張が再燃してい る。バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、 カバード債のプレミアム(最も安全な国債との利回り格差)は237 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、1カ月前の201b pから拡大している。

UBSのカバード債シンジケート責任者のアーミン・ピーター氏 (ロンドン在勤)によると、ECBの購入再開可能性が伝えられた後 にカバード債と金利スワップのイールドスプレッドは3-5bp縮小 した。

「タイミングは良い」

ドイツ銀の欧州カバード債調査責任者、ベルント・フォルク氏は 「ECBはカバード債を、欧州の銀行の調達問題の特効薬のように考 えている」とし、「市場は今苦しい局面にあるため、この政策を検討 するのは良いタイミングだ」と話した。スプレッドや発行高に好影響 があるだろうと指摘した。

ブルームバーグのデータによれば、今月これまでのカバード債発 行高は145億ユーロと、9月の同期間としては03年以来の低水準 となっている。

当局者によれば、ECBは検討するカバード債購入の規模につい ては決定していない。