ユーロ、導入後の平均上回って推移-ストラテジストは上昇を予想

欧州のソブリン債デフォルト(債 務不履行)懸念にもかかわらず、ユーロ相場は1999年の導入後の平均 を上回る水準で推移している。当局が債務危機拡大を防ぐ措置を強化 する中で、ユーロ圏崩壊というような事態に陥る可能性はほとんどな いと為替市場がみていることを示唆している。

ロンドンのインベステック・アセット・マネジメント(運用資産 約950億ドル=約7兆3000億円)で為替管理担当責任者を務めるサノ ス・パパサバス氏は20日のインタビューで、「ユーロというプロジェ クト作業にあまりにも多くの政治的、イデオロギー的資本が第二次大 戦以後投じられてきたが、それが今ほころびを見せている」と指摘し ながらも、「それでも欧州の周辺国が競争力を高め自国の構造的な問題 に対処するためにはユーロが最善の道だ」と述べた。

92年に事実上の英ポンド切り下げを見越し100億ドルを投じた資 産家ジョージ・ソロス氏や世界最大の通貨ヘッジファンド、米FXコ ンセプツ(運用資産85億ドル)の創業者、ジョン・テーラー氏をはじ めとする投資家は、ユーロ圏の分裂もしくはユーロが対ドルで等価に まで下落すると予想している。

一方、ユーロの相対的な強さは、ドイツのメルケル首相やフラン スのサルコジ大統領が債務危機解決とギリシャとアイルランド、ポル トガルをユーロ圏に維持する取り組みを進めていることを反映してい る。債券トレーダーがギリシャのデフォルト予想を強めているのに対 し、通貨ストラテジストはユーロが上昇すると引き続き見込んでいる。

ブルームバーグ相関加重通貨指数によれば、ユーロは先進9カ国 の通貨から成るバスケットに対し先週1.42%上昇。週間では6月3日 終了週(1.55%上昇)以来の大幅な上昇率となった。12日に付けた今 月の安値からは2.8%上げた。

ユーロは先週1ユーロ=1.35ドルで引けたが、これは99年1月 以後の平均水準1.2024ドルを12%上回る。ブルームバーグが35社を 対象にまとめた調査によれば、通貨ストラテジストらはユーロ見通し を下方修正したものの、2012年末までには1.43ドルに上昇すると見 込んでいる。