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ユーロ売り加速、約10年ぶりに102円割れ-欧州の債務・景気不安重し

東京外国為替市場では、ユーロ売 りが加速。対円では一時1ユーロ=102円台を割り込み、2001年6月 以来の安値を更新した。欧州の債務懸念が根強く残る中、域内景気の先 行き不透明感を背景にユーロの下値を試す展開となった。

ユーロ・円相場は午後の取引で一時101円94銭まで水準を切り下 げ約10年ぶりの水準までユーロ安・円高が進行。また、ユーロ・ドル 相場も早朝に1ユーロ=1.3583ドルと、2営業日ぶりの高値を付けて いたが、徐々に売り圧力が戻り、午後の取引で一時1.3363ドルと、1 月18日以来の安値を付けている。

一方、ドル・円相場は早朝に1ドル=76円76銭を付けたあと、 アジア株がほぼ全面安の展開となる中、リスク回避に伴う円買い圧力が 強まり、午後の取引で一時76円23銭まで円が値を戻した。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、財政問題だけで はなく、ユーロ圏全体の景気減速も避けられない見通しにあるなかで、 ユーロ売りが加速する可能性が警戒されると指摘。その上で、ユーロ圏 発のニュースにはこれまで以上に市場が反応するようになっている感が あり、アジア株全面安に加え、金相場が一段安になるなど、「リスク回 避の流れがかなり加速している」とし、円が買われやすいと説明してい る。

ユーロ圏の景気先行き不安

ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想によると、この日に ドイツのIfo経済研究所が発表する9月の独企業景況感指数は

106.5と、前月の108.7から低下が見込まれている。

みずほコーポレート銀行国際為替部のマーケット・エコノミスト、 唐鎌大輔氏は、「一番景気が悪いのは日米欧でどこかといえば恐らく欧 州で、ユーロは買えない通貨となっている」と指摘。その上で、この日 にドイツで発表される景況感指数も「強く出てくるはずがない」とし、 「債務危機が景気減速を引き起こしているのは十分に言えることだし、 それがメインの売り材料になっている」と説明している。

また、ドイツのアスムセン財務次官は25日、国際通貨基金(IM F)と欧州中央銀行(ECB)、欧州連合(EU)の行政執行機関であ る欧州委員会のリポートが遅れているため、10月3日のユーロ圏財務 相会合(ユーログループ)でギリシャへの6度目の融資実行が決定され ることはないと述べた。

リスク回避の動き再燃

一方、前週の米株式相場は、ダウ工業株30種平均が22日に一時 500ドルを超える大幅安となったあと、23日には20カ国・地域(G20) 財務相・中央銀行総裁会議の声明を受けて、反発して取引を終了した。 しかし、米株先物はこの日のアジア時間でマイナス圏に沈んで推移して いる。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、22日には株価が急 落するなど市場がかなり動揺した展開となっていたが、欧州安定化シス テム(ESM)の設立を前倒し検討するなど、「世界的な金融不安を封 じ込める方向に動き始めている」と指摘。ただ、急激に高まった悲観論 が修正されて、ユーロ売り持ち高の解消につながったものの、結局何も まとまらない可能性も残り、「先行きへの不安」からユーロの戻り売り で臨む市場関係者は多いとみている。

欧州情勢の先行き不透明感が根強い中、この日の東京株式相場は、 日経平均株価が午後の取引で一段安の展開となり、一時は前営業日比で 200円安となる場面も見られた。結局、終値ベースで年初来の安値で取 引を終えた。

鈴木氏は、23日は東京市場が休場だったため、日本株が遅れた分 を取り戻す形で大幅に下落した場合は、「嫌なムード」になるとも指摘 していた。

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