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債券上昇、株安や米金利先安観で先物中心に買い-期末接近で手控えも

債券相場は上昇。欧州不安や世界 景気減速に対する根強い警戒感などから国内株式相場が続落する中、 米国金利の先安観もあり、債券市場では先物中心に買いが優勢となっ た。もっとも、9月の中間期末の接近で新規の取引は控えられた。

RBS証券の徐瑞雪債券ストラテジストは、9月決算期末を控え て投資家は様子見姿勢が強いとしながらも、「株安など外部環境の改善 を受けて、円債市場では金利が低下している」と説明。月末に向けて 「債券インデックス(指数)長期化の買いが支援材料になる可能性も ある」と話した。

東京先物市場で中心限月12月物は22日終値比4銭高の142円70 銭で取引開始。いったんは下げたが、日経平均株価が下げ幅を拡大す ると買いが増え、142円78銭とこの日の高値で午前を終えた。午後に 入ると142円67銭前後まで伸び悩む展開となったが、引けにかけては 再び値を切り上げ、結局6銭高の142円72銭で取引を終えた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の317回債利回 りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.985%で始まり、直後から徐々 に水準を切り下げ、0.5bp低い0.975%まで低下した。その後は0.975 -0.98%で推移。午後2時前からは0.975%で取引されている。同利 回りは3連休前の22日に今年最低水準となる0.965%を付けた。

株価が終値で2年半ぶり安値

26日の株式相場は続落し、日経平均株価、TOPIXともに終値 で年初来安値を付け、約2年半ぶりの低水準となった。前週開催の20 カ国・地域(G20)会合で世界が直面する欧州債務問題、景気減速に 対する有効な手立てを打ち出せず、投資家の間で失望感が広がった。 ユーロ・円相場が急激にユーロ安・円高方向に振れたことも、投資家 の警戒心理を強めさせた。

前週末の米国債相場は下落。米10年債利回りは一時過去最低水準 を付けたが、その後上昇に転じた。米株式相場は上昇。S&P500種 株価指数は前日比0.6%高の1136.43。週間では6.5%安となった。

岡三証券の坂東明継シニアエコノミストは、「株安進展は本来債券 買いの材料だが、日経平均が震災後の日中安値に接近したことで、現 物債には一部の投資家から利益確定売りが出たようだ。欧米で金利低 下が進んでも、国内は利回り水準面で投資妙味が減退しており、来週 にかけて10年債利回りは1%中心のもみ合いが続きそう」と話した。

半面、ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)から金利上昇 余地は限定的であり、下期入り以降に再び超長期債が買われて利回り 曲線がフラット(平たん)化する場面もありそうだ、と坂東氏は指摘 している。

需給悪化懸念も

一方、国内では今後の国債増発による需給悪化懸念も根強い。S MBC日興証券の野村真司チーフ債券ストラテジストは「円の先高観 や世界経済の先行き不透明感が強まるほど、今年度第3次補正予算案 の規模拡大への憶測につながりやすいことが相場の上値を抑える」と 話した。

民主党の前原誠司政調会長は、25日午前のNHKの「日曜討論」 で、東日本大震災の復興費などを盛り込む今年度第3次補正予算を上 積みする方針を示した。政府が提示した規模が11兆円程度であること を明らかにした上で、予算を追加する余地を示した。

外国為替市場では、欧州債務危機の深刻化や金融システム不安か らユーロ安が加速。ユーロ・円相場は午後に一時、2001年6月以来、 初めて1ユーロ=102円ちょうどを割り込んだ。ドル・円相場も1ド ル=76円後半から76円前半へ値を切り下げ、再び8月に付けた円の 戦後最高値(75円95銭)に接近した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純チーフ債券ストラ テジストは、「米国株はギリシャ支援にらみ。今週以降もイベントがあ るので、安全資産への逃避の動きが出れば、株式などリスク資産に売 りが出て、円高、先進国の債券買いが続く」と予想している。

あす2年債入札、利率0.1%か

こうした中、あす27日に2年利付国債(10月発行)の入札が実 施される。26日の入札前取引では0.13%付近で推移しており、新発2 年債の表面利率(クーポン)は前回債と据え置きの0.1%が予想され ている。発行額は前回債と同額の2兆6000億円程度。

今回の2年入札について、三井住友海上きらめき生命保険経理財 務部の堀川真一部長は「金融機関の資金は潤沢なため、波乱なく通過 する」と予想。日銀による追加緩和観測が根強いことも入札を支えそ う。この日の2年物の308回債利回りは午後に同0.5bp低い0.12%に 低下。新発2年債利回りとして昨年10月半ば以来の低水準を付けた。

--取材協力 赤間信行、池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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