富裕層はプライベートバンク敬遠、資産運用はファミリーオフィスで

ヘッジファンドを共同創設し 2007-08年の間に27億ドルの利益を出したスティーブン・ディグ ル氏(47)は、手数料で稼いだ何百万ドルという資産をプライベート バンクに委託するかわりに、資産運用や法律、教育の専門家から成る ファミリーオフィスを設置した。

バルペス・インベストメント・マネジメントを共同創設した同氏 は、「プライベートバンクと顧客の利害が一致していないという深刻 な問題があることはかなり明白だった」と指摘。プライベートバンク が「財産管理人としての役割を捨て、セールスマンになってしまった」 と嘆く。同氏のファミリーオフィス(シンガポール登録)は、日本の ホテルやウルグアイの農園に投資している。

世界の他地域をさしおいて成長を続けるアジア経済を追い風に、 アジアの富裕層の資産は膨らんでいる。しかし08年のリーマン・シ ョック以降、リスク回避志向を強めており、資金管理を維持する上で ファミリーオフィスに目を向けている。

シンガポールの洋酒卸売業、ホック・トン・ビーのマネジング・ ディレクター、クリントン・アン氏は「プライベートバンクは様々な ものを売りつけようとするが、それはファミリーオフィスや投資家自 身にとって必ずしもベストなものではない」と語る。同氏もまた、一 家の資産を自らの手で運用することを望む1人だ。「もし洗練された 投資家がまだ過去の危機から教訓を学んでいないなら、目前に危機が 迫っている今、教訓を身につけておくべきだろう」と語った。

先進国と新興国の株式指標であるMSCIオールカントリー世界 指数は、5月に付けた年初来高値から17%下落。格付け会社スタン ダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国の信用格付けを「AAA (トリプルA)」から引き下げ、欧州の債務危機が深刻化した8月に 付けた過去1年の安値付近でなお推移している。

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