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今日の国内市況:株式は反落、長期金利は今年最低-ドル買い優勢

東京株式相場は反落。米国や中国 経済の先行き不透明感が広がったほか、円高・ユーロ安の動きも警戒 され、電機や輸送用機器など輸出関連株、鉱業や商社など資源関連株 中心に安い。「iPhone(アイフォーン)」国内販売の独占体制が 崩れると懸念されたソフトバンクは大幅安となり、TOPIX、日経 平均株価の下落寄与度トップ。

TOPIXの終値は前日比12.59ポイント(1.7%)安の744.48、 日経平均株価は同180円90銭(2.1%)安の8560円26銭。

米連邦準備制度理事会(FRB)は20、21両日に開催した米連邦 公開市場委員会(FOMC)終了後に声明を発表し、期間が短めの保 有国債を長めの国債に乗り換える方針を明らかにした。借り入れコス トの一段の引き下げと景気後退の回避に向けた取り組みの一環。また、 保有する政府機関債と政府機関発行の住宅ローン担保証券(MBS) の償還元本を米国債ではなく、MBSに再投資する方針も示し、景気 見通しに関しては「著しい下振れリスクが存在し、これには世界の金 融市場における緊張が含まれる」と指摘した。

この日の日本株は午後に一段安となり、日経平均は一時195円安 の8545円まで下げ幅を広げた。東京市場の昼休み時間帯に中国で発表 された9月のHSBC製造業購買担当者指数(PMI)が前月からや や悪化し、中国経済の減速が懸念された格好。中国の上海総合株価指 数や香港ハンセン指数が下落するなど、この日のアジア株相場が全面 安の展開となり、市場参加者の心理面にマイナスに作用した。

根強い欧州債務問題への懸念を背景に、東京時間22日早朝の外国 為替市場では一時1ユーロ=103円67銭と、円はユーロに対し2001 年以来の高値を付けた。為替採算悪化への警戒感が高まり、東証1部 の売買代金上位ではトヨタ自動車やホンダ、キヤノン、ソニー、コマ ツ、ファナックなど時価総額上位の輸出関連株が総じて下落。ニュー ヨーク原油先物相場がアジア時間22日の時間外取引で続落する動き を見せ、国際石油開発帝石や三井物産など資源関連株も下げた。

証券や保険、銀行など金融株も安い。格付け会社ムーディーズ・ インベスターズ・サービスがバンク・オブ・アメリカ(BOA)とシ ティグループ、ウェルズ・ファーゴの信用格付けを引き下げたことが 嫌気され、21日の米株市場ではS&P500金融株指数が4.9%安と急 落し、この流れを引き継いだ。

個別では、ソフバンクが12%超下げ、52週安値を付けた。米アッ プルが今秋に発売する「iPhone5」をKDDIが日本で販売す ることが分かった、と日経ビジネス電子版が22日に報道。初代から3 年間続いたソフバンクの独占販売体制が崩れると伝わったことを受け た。

東証1部の売買高は概算で17億407万株、売買代金は1兆2098 億円。値下がり銘柄数が1175、値上がりは392。業種別33指数は鉱業、 証券・商品先物取引、情報・通信、不動産、鉄鋼、海運など25業種が 下げ、水産・農林、パルプ・紙、陸運、電気・ガスなど8業種が高い。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比1.6%安の48.47と 反落、東証マザーズ数は同3.8%安の3920.09と3日続落した

超長期債が大幅高

債券市場では超長期債が大幅高。米連邦準備制度理事会(FRB) が期間の短い保有国債を長めの国債に乗り換える「ツイストオペ」の 導入を表明したことを受けて、前日の米国債市場では30年債を中心に 利回りが急低下した。こうした流れを引き継いで、長めのゾーンに買 いが入り、長期金利は一時0.965%と今年最低を更新した。

現物債市場で、20年物の130回債利回りは前日比5ベーシスポイ ント(bp)低い1.675%まで低下し、新発20年債として昨年10月12 日以来の低水準を付けた。30年物の35回債利回りは5bp低い1.85% まで下げて、昨年10月7日以来の低水準を記録した。

長期金利の指標とされる新発10年物の317回債利回りは前日比2 bp低い0.965%と、昨年11月9日以来の低水準で取引を開始した。午 後に入ると低下幅を縮め、午後2時45分過ぎからは0.5bp低い0.98% で推移している。

FOMCは声明で、「委員会は2012年6月末までに、残存期間6 年から30年の4000億ドルの米財務省証券を購入し、同時に残存期間 3年以下の財務省証券を同額売る意向だ」としている。今回の政策は エコノミストの間では「オペレーション・ツイスト(ツイストオペ)」 と呼ばれる。

東京先物市場で中心限月12月物は下落。前日比22銭高の142円 95銭で開始し、日経平均株価が100円を超す下げ幅となると買いが増 えて、直後に142円99銭と中心限月で6日以来の高値を記録した。そ の後は伸び悩み、午後の取引終盤には下げに転じて、結局は7銭安の 142円66銭で引けた。

ドル買い優勢

東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=76円台後半でド ルが底堅く推移した。米連邦準備制度理事会(FRB)が20、21日に 開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、期間が短めの保有国債を 長めの国債に乗り換える措置を決定したことを受けて、短期債利回り の上昇を背景にドル買い優勢の展開となった。

前日に一時76円12銭と、8月19日以来のドル安値を付けたド ル・円相場は、76円台半ば近辺でこの日の日本時間早朝の取引を開始。 市場では国内輸入企業のドル買い需要が多いとの指摘も聞かれ、午前 に一時76円97銭までドル高が進んだ。午後にかけては76円台後半で 底堅い推移が続き、午後3時45分現在は76円73銭付近で取引されて いる。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル・インデックスはこの日のアジア時間に一時78.063と、2月22 日以来の水準まで上昇している。

FRBは20、21両日に開催したFOMCで、来年6月にかけて残 存期間が6-30年の国債を4000億ドル購入し、期間が3年以内の国 債を同額売却することを決定。声明で「このプログラムにより長期金 利に低下圧力がかかり、広範囲な金融の状況がより緩和的になるのを 助けることになる」としている。

FOMCを受けて、前日の米国債市場では2年債利回りが上昇。 日本の同利回りとの格差は今月12日以来の水準に拡大している。

一方、ギリシャを中心とした欧州の債務問題がくすぶる中、米国 のワシントンではこの日から2日間の日程で、20カ国・地域(G20) 財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。

欧州システミックリスク理事会(ESRB)は、21日の声明文で、 「ソブリン債リスク、欧州連合(EU)内銀行セクターでの資金調達 の脆弱(ぜいじゃく)さ、世界とEU両方の成長見通しの悪化が今後 さらに負の循環をもたらす恐れがある。これが主なリスクだ」と指摘。 「あらゆる当局による迅速で断固たる行動が必要だ」と強調した。

国債のデフォルト(債務不履行)リスクを抱えるギリシャ政府は 21日、国際通貨基金(IMF)などからの次回融資を得るため、財政 赤字削減策を加速し、公務員の給与と年金を削減すると発表した。

ギリシャ政府が財政再建に取り組む一方で、国内では財政緊縮策 に抗議して、公的部門最大の労組ギリシャ公務員連合(ADEDY) が民間最大のギリシャ労働総同盟(GSEE)とともに、10月に2度 の24時間ストを実施すると発表している。

ユーロ・円相場はこの日の東京市場で一時1ユーロ=103円67銭 と、2001年6月以来の水準までユーロ安・円高が進行。ユーロ・ドル 相場も一時1ユーロ=1.3528ドルと、今月12日以来のユーロ安値を 付けている。

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