携帯勢力図に変化も-KDDIのアイフォーン5参入報道で市場の声

携帯電話の契約純増数でソフトバ ンクが業界トップを走り続けている構図に変化が起こる可能性を指 摘する声が株式市場から出ている。日経ビジネスオンラインが「iP hone(アイフォーン)5」がKDDIからも発売されると22日 付で報じたことで、ソフトバンクの株価が急落する一方、KDDI株 は午前中の取引で上昇し明暗が分かれた。

日経ビジネスオンラインは、関係者の話として、KDDIが米ア ップルとアイフォーン5の国内販売契約をすでに締結し、全国で11 月ごろから販売を開始する方向で準備に入っている、と報じた。

ソフトバンクはアイフォーンの独占的な取り扱いで、純増数の 17カ月連続首位を続けているが、同報道を受けて、みずほインベス ターズ証券の東丸英二アナリストは、報道が事実の場合、「KDDI は純増数での劣勢を挽回し、ソフトバンクを逆転する可能性もある」 と指摘、ソフトバンク優位の今の構図が変わることが連想される、と している。

東丸氏は、両社を比較した場合、ソフトバンクよりもKDDIの 方が通話やネットがつながりやすいイメージがあり、「KDDIにユ ーザーが移る可能性がある」と語った。

東海東京調査センターの角田佑介アナリストも、KDDIが同じ 製品を扱うことになれば、ソフトバンクからの「既存契約者の流出な どの懸念がある」と述べた。

コスモ証券の川崎朝映アナリストは「当初はネットワークがつな がりやすさを優先して、KDDIを選ぶユーザーもあるかもしれない」 と予想する。川崎氏は「両社からiPhone5が発売された場合、 本体と通信価格が売れ行きの一つのポイントになる」と分析している。

1年2カ月ぶり安値

報道を受けて、ソフトバンク株は大幅に下落。一時前日比12% 安の2300円まで売られ、2010年7月7日に付けた2267円以来、約 1年2カ月ぶりの安値となった。一方、KDDIは一時、同6.2%高 の66万8000円に上昇した。

KDDIの広報担当、桜井桂一氏はブルームバーグの取材に「当 社から発表したものではなく、この件に関してお話しできることはな い」と答えた。ソフトバンク広報担当の伊東史博氏は、アイフォーン 4以降の新製品の販売計画についてはコメントを控えた。

一方ドコモは、辻村清行副社長が6月の株主総会でアイフォーン について「今のところ提供する予定はない」と述べている。ただ同社 広報部の美濃部直子氏は、「ドコモとしてアイフォーンの販売につい て断念したわけではない」としている。

アイフォーンは07年6月に米国で発売開始。国内では08年から ソフトバンクが独占的に取り扱いを開始した。調査会社MM総研によ ると、11年3月末の国内スマートフォン契約数シェアは50%とトッ プとなっている。

電気通信事業者協会がまとめた携帯電話・PHS契約数によると、 8月の新規契約から解約を除いた純増数は、ソフトバンクが23万 9000件と10年4月以来、17カ月連続で首位。ドコモの18万2100件、 KDDIの7万3000件を大きく引き離す。