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9月21日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル上昇、FOMCが長期債の保有率引き上げ決定

ニューヨーク外国為替市場ではドルがすべての主要取引通貨に対し て上昇した。米連邦公開市場委員会(FOMC)はリセッション(景気 後退)回避の取り組みの一環として、保有米国債の残存期間を長期化す る措置を表明。これを手掛かりに、安全資産とされるドルの逃避需要が 高まった。

ブラジル・レアルと南アフリカ・ランドは対ドルで下げが最も大 きかった。株式と商品相場は急落した。FOMCは比較的長期の米国 債の保有率を上げ、住宅ローン担保証券(MBS)の償還元本をMB Sに再投資する方針も示した。借り入れコストの抑制や経済成長と雇 用促進を目指す。

先物ブローカー、MFグローバル・ホールディングスのアナリス ト、ジェシカ・ホバーセン氏(ニューヨーク在勤)は、「ドルは安全 資産とされる通貨であり、景気の顕著な下振れリスクに対する懸念は、 ドルにとって強材料となる」と述べ、「経済の全体像は依然として弱 いうえ、欧州の今後をめぐってまだ混乱が続いている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要6通貨に対するインターコ ンチネンタル取引所(ICE)のドル・インデックスは1%上げて

77.803となっている。

ドルはユーロに対し前日比0.9%高の1ユーロ=1.3573ドル。 ユーロは円に対して1%安の1ユーロ=103円76銭と2001年以来 の安値を付けた。ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=76円46銭。

追加緩和を望んでいた市場

FOMCの声明によると、金融当局は来年6月にかけて6-30 年債を4000億ドル購入し、期間が3年以内の国債を同額売却する。 購入する米国債のうち約32%は6-8年物となる。また、住宅ロー ン担保証券(MBS)の償還元本を米国債ではなくMBSに再投資す る方針も表明した。

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシーリ・セレブ リアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「市場は追加緩和を望んでいた。 FRBの保有米国債の償還期限を長期化させるというこの措置でそれ が実現した」とし、「量的緩和第3弾(QE3)では無かったので、 ドルに大きな悪影響とはならないはずだ。実際、ドルはやや上げてい る」と説明した。

FOMC声明は「景気見通しに対しては著しい下振れリスクが存 在し、これには世界の金融市場における緊張が含まれる」と指摘。

景気浮揚策は必要とFOMC

声明ではさらに、今回の措置により「長期金利に低下圧力がかか り、広範囲な金融の状況がより緩和的になるのを助けることになる」 と説明。8月の会合で反対票を投じた同じ連銀総裁3人が再び反対に 回った。

サントラスト・バンクの個人資産運用部門のストラテジスト、ア ンドルー・リッチマン氏は、「インフレ率はゼロではないものの景気 浮揚策は必要だというのがFOMCの考えだ」と述べ、「一部の投資 家は声明文の文言に当惑させられた。そのため株が売られた。FOM Cが景気の下支えが必要だと真剣に考えているというのは、穏やかで はない」と指摘した。

◎米国株:大幅安、FOMCが景気の「著しい下振れリスク」を指摘

米株式相場は大幅安。S&P500種株価指数は1カ月で最大の下 げとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)が開催した連邦公開市場 委員会(FOMC)では、4000億ドルの長期債購入を決定したほか、 景気について「著しい下振れリスク」があると指摘した。

建機大手キャタピラーと化学品大手ダウ・ケミカルなど、経済成 長と関連性の強い銘柄の下げが目立った。S&P500種では金融株 指数が大きく下げ、2年ぶり安値となった。格付け会社ムーディー ズ・インベスターズ・サービスがバンク・オブ・アメリカ(BOA) とシティグループ、ウェルズ・ファーゴの信用格付けを引き下げたこ とが嫌気された。また石炭会社2社が見通しを下方修正したことに反 応し、景気動向の目安とされるダウ輸送株平均が下落した。

S&P500種株価指数は前日比2.9%安の1166.76。この3日 間での下落率は4.1%となった。ダウ工業株30種平均はこの日

283.82ドル(2.5%)下げて11124.84ドル。

米ヘッジファンドのトラクシス・パートナーズの共同創業者でマ ネジングパートナー、バートン・ビッグス氏は電子メールで、「イン フルエンザにかかったように弱った景気に強力で魔法のようなビタミ ンCの錠剤が投入されることを市場は期待していたようだ」と指摘し た。

FOMCでは、借り入れコストの一段の低下や景気の押し上げを 目指し、保有する債券の一部を長期国債と入れ替える措置を決定。F OMCが「オペレーション・ツイスト(ツイストオペ)」を決定する との市場の観測通りの結果となった。

「著しい下振れリスク」

声明では、「景気見通しに対しては著しい下振れリスクが存在し、 これには世界の金融市場における緊張が含まれる」と指摘した。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は電子メールで、 「市場はFOMCが景気判断を下方修正し、下方向の金融リスクに対 する認識を強めたことに注目した」と指摘。「FRBによる購入は米 国債やモーゲージ債に影響を与えることはできるが、経済面での効果 を発揮する力は限られていることを投資家は認識している」と付け加 えた。

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数 は4.2%下落。キャタピラーは5.1%安の79.36ドル。ダウ・ケミ カルは6.3%下げて25.54ドル。

銀行株に売り

KBW銀行指数は5.5%下げた。BOAは7.5%安の6.38ド ル。ウェルズ・ファーゴは3.9%安の23.71ドル。シティグループ は5.2%下落し25.52ドル。

ムーディーズは、BOAとウェルズ・ファーゴの長期信用格付け を引き下げた。緊急時に米政府支援が実施される公算が小さくなった ことを理由に挙げた。またシティの短期格付けも引き下げた。

このほか、石炭株が大幅安。ウォルター・エナジーは下期の売上 高予想を下方修正。アルファ・ナチュラル・リソーシズは通期の生産 見通しを引き下げた。ウォルター・エナジーは12%安の66.25ドル。 アルファ・ナチュラルは17%下げて22.30ドル。

◎米国債:30年債が上昇、FOMCが長期債への乗り換えを表明

米国債は30年債が急伸。利回りは2009年以来初めて3%を下 回った。連邦公開市場委員会(FOMC)は会合後に発表した声明で、 保有国債の一部を期間が長めの国債に乗り換える方針を表明した。

10年債と30年債の利回り格差は1.14ポイント。過去5年 間の平均値は約0.75ポイントだった。借り入れコストをまだ引き 下げる余地があることを示唆している。2年債利回りは上昇。FO MCが償還期間の短い国債の大半を長期債に乗り換える意向を明ら かにしたことが背景。

ドイツ銀行プライベート・ウェルス・マネジメント部門の債 券トレーディング責任者、ゲーリー・ポラック氏(ニューヨーク在 勤)は、「FOMCがかなり長期の国債を購入する意欲を見せたこ とを考えると、これは市場の予想以上に強い政策だ。それに反応し て米国債も上昇している」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク 時間午後4時48分現在、30年債利回りは前日比21ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)下げて3%。同年債価格 (表面利率3.75%、償還期限2021年8月)は4 12/32上げて 114 26/32。利回りは一時、2009年1月以来初めて3%を下回っ た。

2年債利回りが上昇

償還期間が5年以下の国債は下落。2年債利回りは3bp上 げて0.19%だった。前日は0.14%の過去最低だった。2年債と 30年債の利回り格差は280bp。終値ベースで2009年4月以来 の最小だった。

10年債利回りは8bp下げて1.86%。一時は1.85%と、 連邦準備制度理事会(FRB)が1953年に調査を開始して以来の 最低だった。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、 30年債のリターンは今年に入り26%。広範な米国債で見た場合の リターン(8.5%)の3倍に相当する。

FOMC声明

FOMCは声明で、「委員会は2012年6月末までに、残存 期間6年から30年の4000億ドルの米財務省証券を購入し、同時 に残存期間3年以下の財務省証券を同額売る意向だ」と述べた。今 回の政策はエコノミストの間では「オペレーション・ツイスト(ツ イストオペ)」と呼ばれる。

FOMCはまた、「住宅ローン市場を支援する一助として、 委員会は今後、政府機関債と政府機関発行の住宅ローン担保証券 の償還元本を住宅ローン担保証券に再投資する方針だ。委員会は さらに、償還を迎えた米財務省証券を再投資する現行方針を続け る」ことも明らかにした。

今回のFOMCの金融政策に対し、前回と同じ3人の連銀総 裁が反対票を投じた。

ニューヨーク連銀が発表した文書によると、FRBが検討し ている国債購入のうち、償還期限6-8年物が約32%、8-10 年物が32%、10-20年物が4%、さらに20-30年物が29% となっている。償還期限6-30年物のインフレ連動債(TIP S)も3%含まれている。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想42人のうち、 71%がツイストオペを予想していた。また61%はツイストオペで は9.1%の高失業率を引き下げることは出来ないと予想しており、 15%は「ある程度の悪影響」がもたらされるとみている。

◎NY金:反落、FOMCの追加緩和措置で需要後退との観測

ニューヨーク金先物相場は反落。米連邦公開市場委員会(FOM C)が一段の緩和措置を実施し、価値保護手段としての金の需要後退 につながるとの観測が強まった。

国際通貨基金(IMF)は前日、世界経済の成長見通しを下方修 正するとともに、欧州が債務危機を封じ込められない場合は「深刻な」 悪影響が生じると指摘した。ブルームバーグがまとめた調査によれば、 FOMCは会合後の声明で、米連邦準備制度理事会(FRB)のポー トフォリオのうち償還期限が短めの国債を長めの国債に入れ替えると 発表する見通しだ。金先物は6日にオンス当たり1923.70ドルと過 去最高値を更新した。

スタンダード・バンクのアナリスト、マーク・グラウンド氏はリ ポートで予想されるFOMCの措置に言及し、「短期的には、リスク の高い市場に一定の安心感が生じるかもしれないが、恐らく金にとっ てはマイナスとなる」と指摘。「市場の焦点はユーロ圏の重大な問題 に再び戻ることになるため、こうした安心感は短命に終わるだろう」 と記述した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比1ドル(0.1%)安の1オンス=1808.10ドルで終 了した。一時は1.3%値下がりする場面もあった。

◎NY原油:反落、FOMCが景気の「著しい」リスク指摘

ニューヨーク原油先物相場は反落。米連邦公開市場委員会(FO MC)が声明で、期間が長めの国債を4000億ドル購入する計画を発 表するとともに、景気見通しに「著しい下向きのリスク」があると指 摘したことが背景。

FOMCは保有国債の一部を期間が長めの国債に乗り換える方針 を表明した。借り入れコストの低下誘導とリセッション(景気後退) 回避に向けた取り組みの一環。これより先にエネルギー省が発表した 週間統計で、米国の在庫が1月以来の最低水準に減少したことが示さ れると、原油は上昇する場面もあった。

PFGベストの調査部門バイスプレジデント、フィル・フリン氏 (シカゴ在勤)は「FOMCの悲観的な景気判断を考慮すれば、需要 改善の余地はかなり限られている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前 日比1ドル(1.15%)安の1バレル=85.92ドルで終了。一時は

87.99ドルまで上昇、また85.08ドルに下落する場面もあった。

◎欧州株:反落、ギリシャ問題解決せず-プジョー安い

21日の欧州株式相場は反落。ギリシャのベニゼロス財務相は20 日、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(E CB)のいわゆるトロイカと2回目の電話会議を持ったものの債務危 機解決には至っていない。

フランスのプジョーシトロエングループ(PSA)やドイツのフ ォルクスワーゲン(VW)を中心に自動車銘柄が安い。金属の値下が りで、世界最大の鉱山会社、英・オーストラリア系BHPビリトンや 同2位で同じく英豪系のリオ・ティントも下げた。独ルフトハンザ航 空は5%安。ドイツ銀行による投資判断引き下げが嫌気された。独医 薬品メーカーのスタダ・アルツナイミッテルは3年ぶり大幅安。

ストックス欧州600指数は前日比1.7%安の225.33。前日ま での6営業日で下げたのは19日だけだった。同日の取引終了後に行わ れたギリシャとトロイカの1回目の電話会議について、同国財務省は 「生産的」だったとの声明を発表。また、米連邦公開市場委員会(F OMC)が21日に一段の刺激策を発表するとの観測も浮上していた。 世界経済の回復がリスクにさらされているとの懸念は根強く、指数は 今年2月17日に付けた年初来高値を23%下回っている。

ドイツ・ポストバンクの株式ストラテジスト、ハインツゲルト・ ゾンネンシャイン氏は「市場はまだ神経質だ」と指摘し、「FOMC やギリシャがどういう結果になるのか懸念している。ギリシャの問題 解決には時間がかかるだろう。長く苦しい道のりが続く」と語った。

EUは20日、ギリシャのベニゼロス財務相とトロイカとの2回 目の電話会議で「良い進展」があったとの声明を発表。トロイカの代 表団が来週、アテネを再び訪れることを明らかにした。

FOMCはこの日、1兆6500億ドル(約126兆円)のポートフ ォリオのうち、保有する短期債を長期債に入れ替える「オペレーショ ン・ツイスト(ツイストオペ)」を決めると、ブルームバーグ調査で エコノミスト42人の71%が予想している。

この日の西欧市場では、18カ国中13カ国で主要株価指数が下落。 プジョーは5.7%下げ17.04ユーロ。VWの優先株は2.6%安の 111ユーロ。ストックス欧州600指数を構成する業種別指数で自動車 株は下げ率2位の3.3%下落。BHPビリトンは3.9%安の1888.5 ペンスで終了。リオ・ティントは4.2%下げ3389ペンス。ルフトハ ンザは9.80ユーロと、2009年8月以来の安値で終了。スタダ・ア ルツナイミッテルは19%下げ18.79ユーロ。

◎欧州債:ギリシャ債が3日続落、危機対策の協議継続-ドイツ債上昇

21日の欧州債市場ではギリシャ国債が3日続落。ギリシャのベ ニゼロス財務相は20日に欧州連合(EU)と国際通貨基金(IM F)、欧州中央銀行(ECB)のいわゆるトロイカと2回目の電話会 議を持ったものの、債務危機への解決策を見いだせなかった。トロイ カ代表団は来週、アテネを再び訪問する。

域内で最も安全とされるドイツ2年債利回りは過去最低に接近。 ギリシャの公的部門と民間部門の2大労働組合は、緊縮策への抗議で ストライキを呼び掛けた。ドイツ政府がこの日実施した10年債入札 では、平均落札利回りが初めて2%を下回った。ポルトガル国債は下 落。同国の証券入札で借り入れコストが上昇した。

ロイズ・バンク・コーポレート・マーケッツの債券ストラテジス ト、エリック・ワンド氏は、ドイツ国債を売却し「高リスク資産を購 入する妙味は現時点では全くない」と述べ、「今後数カ月はリスクを 回避する動きが継続する恐れがあり、どのような押し目でも中核国の 国債には買いが入るだろう」と語った。

ロンドン時間午後4時半現在、ギリシャ2年債利回りは前日比 233ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の66.51%。 同国債(表面利率4%、2013年8月償還)価格は0.960下げ

41.620。10年債利回りは31bp上昇し23.55%となった。

ドイツ2年債利回りは前日比2bp低下の0.44%。12日に付 けた過去最低0.359%に近づいた。独10年債利回りも2bp下げ

1.77%。

IMFは21日公表の世界金融安定報告で、欧州の債務危機は域 内の銀行に対し最大で3000億ユーロ(約31兆3000億円)の信用 リスクを生じさせたとの試算を示した。危機拡大阻止の方法をめぐる 欧州の政治的対立と、合意した措置の実行の遅れが、域内の政府がデ フォルト(債務不履行)に陥るリスクへの懸念を高めていると指摘し た。

◎英国債:10年債が下落、利回り2.39%-2年債ほぼ変わらず

21日の英国債市場では、10年債相場が4営業日ぶりに下落。同 利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し

2.39%となった。2年債利回りはほぼ変わらずの0.53%。

ポンド相場はドルに対して下落し8カ月ぶり安値を付けた。イン グランド銀行(英中央銀行)がこの日公表した今月8日の金融政策委 員会(MPC)議事録で、資産購入プログラムの規模拡大を多くの委 員が認識したことが明らかになった。

ケーブル民間企業相は中銀に対し国債以外の資産を購入するよう にとあらためて呼び掛けた。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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