9月21日の米国マーケットサマリー:FOMCで株安、30年債急伸

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3599 1.3702 ドル/円 76.65 76.45 ユーロ/円 104.23 104.75

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,124.84 -283.82 -2.5% S&P500種 1,166.75 -35.34 -2.9% ナスダック総合指数 2,538.19 -52.05 -2.0%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .20% +.04 米国債10年物 1.86% -.07 米国債30年物 3.01% -.19

商品 (中心限月) 終値   前営業日比  変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,808.10 -1.00 -.06% 原油先物 (ドル/バレル) 85.17 -1.75 -2.01%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇した。借り入れコスト の抑制や経済成長と雇用促進を目指して、米連邦公開市場委員会(F OMC)が償還期間の比較的長い米国債の保有を増やす決定に至った ことが背景。

ドルは主要取引通貨の過半数に対して上げた。FOMCは1兆 6500億ドル相当の米連邦準備制度理事会(FRB)保有資産のうち、 短期債を売却してより償還期間の長い米国債に買い替える措置を決定 した。この措置は「オペレーション・ツイスト」と呼ばれるもので、 ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト42人を対象に実施した調 査によれば、71%がオペレーション・ツイストの実施を予測してい た。円は対ドルで上昇し戦後最高値に近づく場面も見られた。世界経 済の減速懸念を背景に、安全資産への逃避需要が高まった。

みずほフィナンシャル・グループの米通貨セールス担当責任者、 ファビアン・エリアソン氏はFOMCの声明発表前に、「少なくとも 中期的な視点から、米国内の強さを反映するものだ」とし、「もし全 てが悪化して投資家がリスク資産から逃避する事態になれば、それを 受けてドルが上昇しても驚きはしない」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時25分現在、ドルはユーロに対し前日 比0.2%安の1ユーロ=1.3727ドル。円に対してはほぼ変わらずの 1ドル=76円43銭となっている。

◎米国株式市場

米株式相場は大幅安。S&P500種株価指数は3日続落した。 米連邦準備制度理事会(FRB)が開催した連邦公開市場委員会(F OMC)では、4000億ドルの長期債購入を決定したほか、景気につ いて「著しい下振れリスク」があると指摘した。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前日比3%安の1166.36。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は電子メールで、 「市場はFOMCが景気判断を下方修正し、下方向の金融リスクに対 する認識を強めたことに注目した」と指摘。「FRBによる購入は米 国債やモーゲージ債に影響を与えることはできるが、経済面での効果 を発揮する力は限られていることを投資家は認識している」と付け加 えた。

FOMCでは、借り入れコストの一段の低下や景気の押し上げを 目指し、保有する債券の一部を長期国債と入れ替える措置を決定。F OMCが「オペレーション・ツイスト(ツイストオペ)」を決定する との市場の観測通りの結果となった。

◎米国債市場

米国債は30年債が急伸。利回りは2009年1月以来の低水準 に下げた。連邦公開市場委員会(FOMC)は会合後に発表した声 明で、保有国債の一部を期間が長めの国債に乗り換える方針を表明 した。

10年債と30年債の利回り格差は1.17ポイント。過去5年 間の平均値は約0.72ポイントだった。借り入れコストをまだ引き 下げる余地があることを示唆している。2年債利回りは上昇。FO MCが償還期間の短い国債の大半を長期債に乗り換える意向を明ら かにしたことが背景。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク 時間午後3時25分現在、30年債利回りは前日比17ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)下げて3.03%。同年債価格 (表面利率3.75%、償還期限2021年8月)は3 5/8上げて 114 2/32。利回りは一時、3.0218%と、2009年1月以来の低 水準をつけた。

償還期間が5年以下の国債は下落。2年債利回りは4bp上 げて0.21%だった。前日は0.14%の過去最低だった。2年債と 30年債の利回り格差は284bp。終値ベースで2009年4月以来 の最小だった。

10年債利回りは6bp下げて1.88%。一時は1.85%と、 FRBが1953年に調査を開始して以来の最低だった。

FOMCは声明で、「委員会は2012年6月末までに、残存 期間6年から30年の4000億ドルの米財務省証券を購入し、同時 に残存期間3年以下の財務省証券を同額売る意向だ」と述べた。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は反落。米連邦公開市場委員会(FOM C)が一段の緩和措置を実施し、価値保護手段としての金の需要後退 につながるとの観測が強まった。

国際通貨基金(IMF)は前日、世界経済の成長見通しを下方修 正するとともに、欧州が債務危機を封じ込められない場合は「深刻な」 悪影響が生じると指摘した。ブルームバーグがまとめた調査によれば、 FOMCは会合後の声明で、米連邦準備制度理事会(FRB)のポー トフォリオのうち償還期限が短めの国債を長めの国債に入れ替えると 発表する見通しだ。金先物は6日にオンス当たり1923.70ドルと過 去最高値を更新した。

スタンダード・バンクのアナリスト、マーク・グラウンド氏はリ ポートで予想されるFOMCの措置に言及し、「短期的には、リスク の高い市場に一定の安心感が生じるかもしれないが、恐らく金にとっ てはマイナスとなる」と指摘。「市場の焦点はユーロ圏の重大な問題 に再び戻ることになるため、こうした安心感は短命に終わるだろう」 と記述した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比1ドル(0.1%)安の1オンス=1808.10ドルで終 了した。一時は1.3%値下がりする場面もあった。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は反落。米連邦公開市場委員会(FO MC)が声明で、期間が長めの国債を4000億ドル購入する計画を発 表するとともに、景気見通しに「著しい下向きのリスク」があると指 摘したことが背景。

FOMCは保有国債の一部を期間が長めの国債に乗り換える方針 を表明した。借り入れコストの低下誘導とリセッション(景気後退) 回避に向けた取り組みの一環。これより先にエネルギー省が発表した 週間統計で、米国の在庫が1月以来の最低水準に減少したことが示さ れると、原油は上昇する場面もあった。

PFGベストの調査部門バイスプレジデント、フィル・フリン氏 (シカゴ在勤)は「FOMCの悲観的な景気判断を考慮すれば、需要 改善の余地はかなり限られている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物11月限は前 日比1ドル(1.15%)安の1バレル=85.92ドルで終了。一時は

87.99ドルまで上昇、また85.08ドルに下落する場面もあった。

ニューヨーク・ニューズルーム   1-212- 617-3007

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 西前 明子 Akiko Nishimae +1-212-617-2601 anishimae3@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net