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今日の国内市況:株式反発、長期金利低下-ドルが対円1カ月ぶり安値

東京株式相場は小幅反発。欧米を 中心とした世界景気の先行き懸念は根強いものの、為替市場でのユー ロ相場の落ち着きや米国の追加金融緩和への期待などから精密機器や ガラス・土石製品、機械、鉱業株などが買われ、東証1部33業種は上 昇が21と、下落の12より多かった。

TOPIXの終値は前日比2.09ポイント(0.3%)高の757.13、 日経平均株価は同19円92銭(0.2%)高の8741円16銭。ただ、米連 邦準備制度理事会(FRB)が昨日から開催している連邦公開市場委 員会(FOMC)の結果が米時間21日に判明するため、その結果を受 けた米国株、為替動向などを見極めたいとし、両指数とも前日終値近 辺での小動きに終始した。

IMFは20日、世界経済の成長見通しを下方修正するとともに、 欧州が債務危機を封じ込められず、米国で財政赤字削減計画をめぐる 交渉が行き詰まれば、深刻な悪影響が生じると指摘した。IMFは最 新の見通しで2011、12年の世界の成長率をいずれも4%と予測。6月 時点では11年が4.3%、12年が4.5%と予想していた。また、米商務 省が同日発表した8月の米住宅着工件数は年率換算で前月比5%減の 57万1000戸と、3カ月ぶりの低水準だった。

3連休の谷間に挟まれ営業日数が3日と少ない今週、重要イベン トを控えていることもあり、きょうの東証1部売買高は概算で14億 4201万株、売買代金は9558億円。売買代金は前日に続く1兆円割れ で6月13日以来、およそ3カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。値上がり 銘柄数が556、値下がりは942。

東証1部33業種では、精密が午後一段高の展開で上昇率トップ。 HOYAやオリンパス、テルモ、ニコン、島津製作所などが同指数を けん引し、ニコンには午後になって10月に新型カメラを発売するとい う材料もあった。このほか、8月の紙・板紙の国内出荷が半年ぶりに 拡大に転じ、日本製紙グループ本社などパルプ・紙株は続伸。みずほ 証券が投資判断を「アンダーパフォーム」から「ニュートラル」へ上 げたデンソー、低燃費・低価格の新型軽自動車の発売やクレディ・ス イス証券の強気の投資判断継続が材料視されたダイハツ工業も高い。

半面、ゴム製品や繊維製品など素材関連株の一角、証券やその他 金融など金融株の一部が下落。8月の日本製半導体製造装置のBBレ シオ(3カ月平均、速報値)が0.76倍と2カ月連続で低下し、業界環 境の不透明感からアドバンテストやSUMCO、エルピーダメモリな ど半導体関連株も売られた。グリーとディー・エヌ・エーも安い。ゴ ールドマン・サックス証券では両社について、今後の株価の上昇余地 拡大のポイントは米国を中心とする海外展開の可能性とした上で、東 京ゲームショウではその難易度の高さを再認識したと指摘した。

流動性供給順調で超長期堅調

債券市場で長期金利は0.985%に低下した。朝方は今晩の米連邦 公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めようとして積極的な買い が手控えられた。しかし、午後に発表された流動性供給入札が高い応 札倍率となるなど需要の強さが確認されたことから超長期債や長期ゾ ーンへの買いが優勢になった。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の317回債利回 りは同0.5ベーシスポイント(bp)高い0.995%で開始。午後に入ると 水準を切り下げ、1時前には0.5bp低い0.985%に低下。いったん

0.99%を付けたが、午後2時半前後から再び0.985%で推移している。

超長期債が堅調。30年物の35回債利回りは1.90%まで低下し、 新発30年債としては約1カ月半ぶりの低水準を付けた。20年物の130 回債利回りは前日比1bp低い1.725%。2年物の308回債利回りは同

0.5bp低い0.125%と、新発2年債として8月下旬以来の低水準。

財務省がこの日実施した流動性供給入札(発行額3000億円)は、 募入最大利回り較差がマイナス0.008%、募入平均利回り較差がマイ ナス0.009%となった。需要の強さを示す応札倍率は3.03倍と、7月 11日入札以来の高水準となった。

東京先物市場で中心限月12月物は横ばい。前日比3銭安の142 円70銭で取引を開始。直後に横ばいまで戻したが、日経平均株価が朝 安後に反発に転じると売りが優勢になり、7銭安まで下落。午後に入 ると水準を切り上げ、3銭高まで上昇したが、結局は変わらずの142 円73銭で引けた。

ドルが対円で1カ月ぶり安値

東京外国為替市場では、ドルが対円で約1カ月ぶり安値を更新し た。注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、積 極的な取引が手控えられるなか、国内輸出企業の円買いをきっかけに、 ドルは一時1ドル=76円12銭まで下落。8月19日に付けた戦後最安 値まであと17銭に迫った。

一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.36ドル後半から1.37ド ル前半で推移した。ギリシャ向け融資が実行され、同国のデフォルト (債務不履行)が当面回避させるとの観測がユーロの下支えとなり、 一時は1.3724ドルまで値を切り上げる場面も見られたが、上値も重く、 欧州市場に向けては再び1.3700ドルを割り込んだ。

ブルームバーグ・ニュースが実施した調査によると、エコノミス ト42人の71%が、FOMCは保有する米国債の構成を短期から長期 債に組み替えるツイストオペを決めると予想している。

米議会共和党指導部の議員4人は米連邦準備制度理事会(FRB) のバーナンキ議長に共同で書簡を送り、追加金融刺激策の実施を控え るよう求めた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(オンライン版) が書簡の全文を掲載した。それによると、共和党議員らは最近の量的 緩和策が経済成長を後押したり、失業率を押し下げたかどうかは明確 でないと指摘した。

安住淳財務相は21日昼、円相場を注意深くみているとした上で、 必要なら断固たる措置を取ると語った。財務省内で記者団の質問に答 えた。

ドル・円相場は76円半ば付近で東京市場を迎えると、公表仲値が 設定される午前10時にかけて76円12銭までドル売りが進行。その後、 76円66銭まで急反発したが、すぐに76円前半へ押し戻された。

欧州連合(EU)は20日、ギリシャのベニゼロス財務相とEU、 国際通貨基金(IMF)、ECBのいわゆるトロイカとの2回目の電話 会議で「良い進展」があったとの声明を発表した。

ユーロ・円相場はドル・円と同様に午前に一時1ユーロ=104円 36銭から105円05銭まで乱高下する場面が見られたが、その後は104 円後半でのもみ合いとなり、欧州市場に向けては104円半ばに向けて やや値を切り下げた。

野田佳彦首相は、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ) のインタビューで、EUの指導者が域内ソブリン債危機対策でコンセ ンサスに至れば、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が発行す る債券を今後さらに購入する可能性を示唆した。野田首相はまた、円 相場の動向が過度になれば為替市場で再び介入を実施する用意がある と述べたという。

一方、前日の海外市場ではスイス国立銀行(SNB、中央銀行) がフランの許容水準を変更するとの観測からフランが急落したが、こ の日の東京市場午後の取引でもフラン売りが再燃。対ユーロで一時、 7月5日以来の安値まで下落した。

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