ドルが対円で1カ月ぶり安値、FOMCで追加緩和見極め-76円台前半

東京外国為替市場では、ドルが対 円で約1カ月ぶり安値を更新した。注目の米連邦公開市場委員会(F OMC)の結果発表を前に、積極的な取引が手控えられるなか、国内 輸出企業の円買いをきっかけに、ドルは一時1ドル=76円12銭まで 下落。8月19日に付けた戦後最安値まであと17銭に迫った。

一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.36ドル後半から1.37ド ル前半で推移した。ギリシャ向け融資が実行され、同国のデフォルト (債務不履行)が当面回避させるとの観測がユーロの下支えとなり、 一時は1.3724ドルまで値を切り上げる場面も見られたが、上値も重く、 欧州市場に向けては再び1.3700ドルを割り込んだ。

三菱東京UFJ銀行金融市場部の内田稔シニアアナリストは、ギ リシャをめぐる極度の緊張が少し和らいでいることもあり、FOMC を控えて「若干ドルそのものが緩んできている」と解説。ただ、米国 の追加緩和については、「すでに米金利も十分低下しているし、足元で はECB(欧州中央銀行)など他の中銀も少なくとも引き締めスタン スではないため、必ずしもドル売り材料にはならないのではないか」 と話した。

ツイストオペ決定か

ブルームバーグ・ニュースが実施した調査によると、エコノミス ト42人の71%が、FOMCは保有する米国債の構成を短期から長期 債に組み替えるツイストオペを決めると予想している。

バークレイズ銀行FXストラテジストの逆井雄紀氏(ニューヨー ク在勤)は、FOMCが何かやるというのは織り込み済みで、可能性 が高いのはオペレーションツイストだが、その通りになればあまり動 きはないと予想した。

岡三証券外国証券部シニアマネージャーの相馬勉氏も「ツイスト オペまではほぼ想定内」であり、米長期金利の下げ余地も限られるな か、「為替にとってのインパクトはあまり考えられない」と指摘。ただ し、一段の緩和策を催促する形で、「ドル売りが出てくる感じもある」 と付け加えた。

米議会共和党指導部の議員4人は米連邦準備制度理事会(FRB) のバーナンキ議長に共同で書簡を送り、追加金融刺激策の実施を控え るよう求めた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(オンライン版) が書簡の全文を掲載した。それによると、共和党議員らは最近の量的 緩和策が経済成長を後押ししたり、失業率を押し下げたかどうかは明 確でないと指摘した。

介入警戒

安住淳財務相は21日昼、円相場を注意深くみているとした上で、 必要なら断固たる措置を取ると語った。財務省内で記者団の質問に答 えた。

ドル・円相場は76円半ば付近で東京市場を迎えると、公表仲値が 設定される午前10時にかけて76円12銭までドル売りが進行。その後、 76円66銭まで急反発したが、すぐに76円前半へ押し戻された。

岡三証券の相馬氏は「仲値がややドル余剰で、ストップ(損失を 限定するためのドル売り注文)を付ける形でドルが下がった」と説明。 その後は介入警戒感もあり、ドル買いが強まったと解説した。

欧州連合(EU)は20日、ギリシャのベニゼロス財務相とEU、 国際通貨基金(IMF)、ECBのいわゆるトロイカとの2回目の電話 会議で「良い進展」があったとの声明を発表した。

ユーロ・円相場はドル・円と同様に午前に一時1ユーロ=104円 36銭から105円05銭まで乱高下する場面が見られたが、その後は104 円後半でのもみ合いとなり、欧州市場に向けては104円半ばに向けて やや値を切り下げた。

野田佳彦首相は、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ) のインタビューで、EUの指導者が域内ソブリン債危機対策でコンセ ンサスに至れば、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が発行す る債券を今後さらに購入する可能性を示唆した。野田首相はまた、円 相場の動向が過度になれば為替市場で再び介入を実施する用意がある と述べたという。

一方、前日の海外市場ではスイス国立銀行(SNB、中央銀行) がフランの許容水準を変更するとの観測からフランが急落したが、こ の日の東京市場午後の取引でもフラン売りが再燃。対ユーロで一時、 7月5日以来の安値まで下落した。

--取材協力:油井望奈美 Editor:Masaru Aoki, Hidenori Yamanaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 小宮 弘子 Hiroko Komiya

+81-3-3201-2371 hkomiya1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 東京 Rocky Swift

+81-3-3201-2078 or rswift5@bloomberg.net .

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE