米国株:大幅安、FOMCが景気の「著しい下振れリスク」を指摘

米株式相場は大幅安。S&P 500種株価指数は1カ月で最大の下げとなった。米連邦準備制度 理事会(FRB)が開催した連邦公開市場委員会(FOMC)では、 4000億ドルの長期債購入を決定したほか、景気について「著しい下 振れリスク」があると指摘した。

建機大手キャタピラーと化学品大手ダウ・ケミカルなど、経済成 長と関連性の強い銘柄の下げが目立った。S&P500種では金融株 指数が大きく下げ、2年ぶり安値となった。格付け会社ムーディー ズ・インベスターズ・サービスがバンク・オブ・アメリカ(BOA) とシティグループ、ウェルズ・ファーゴの信用格付けを引き下げたこ とが嫌気された。また石炭会社2社が見通しを下方修正したことに反 応し、景気動向の目安とされるダウ輸送株平均が下落した。

S&P500種株価指数は前日比2.9%安の1166.76。この3日 間での下落率は4.1%となった。ダウ工業株30種平均はこの日

283.82ドル(2.5%)下げて11124.84ドル。

米ヘッジファンドのトラクシス・パートナーズの共同創業者でマ ネジングパートナー、バートン・ビッグス氏は電子メールで、「イン フルエンザにかかったように弱った景気に強力で魔法のようなビタミ ンCの錠剤が投入されることを市場は期待していたようだ」と指摘し た。

FOMCでは、借り入れコストの一段の低下や景気の押し上げを 目指し、保有する債券の一部を長期国債と入れ替える措置を決定。F OMCが「オペレーション・ツイスト(ツイストオペ)」を決定する との市場の観測通りの結果となった。

「著しい下振れリスク」

声明では、「景気見通しに対しては著しい下振れリスクが存在し、 これには世界の金融市場における緊張が含まれる」と指摘した。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のモハメド・エラリアン最高経営責任者(CEO)は電子メールで、 「市場はFOMCが景気判断を下方修正し、下方向の金融リスクに対 する認識を強めたことに注目した」と指摘。「FRBによる購入は米 国債やモーゲージ債に影響を与えることはできるが、経済面での効果 を発揮する力は限られていることを投資家は認識している」と付け加 えた。

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数 は4.2%下落。キャタピラーは5.1%安の79.36ドル。ダウ・ケミ カルは6.3%下げて25.54ドル。

銀行株に売り

KBW銀行指数は5.5%下げた。BOAは7.5%安の6.38ド ル。ウェルズ・ファーゴは3.9%安の23.71ドル。シティグループ は5.2%下落し25.52ドル。

ムーディーズは、BOAとウェルズ・ファーゴの長期信用格付け を引き下げた。緊急時に米政府支援が実施される公算が小さくなった ことを理由に挙げた。またシティの短期格付けも引き下げた。

このほか、石炭株が大幅安。ウォルター・エナジーは下期の売上 高予想を下方修正。アルファ・ナチュラル・リソーシズは通期の生産 見通しを引き下げた。ウォルター・エナジーは12%安の66.25ドル。 アルファ・ナチュラルは17%下げて22.30ドル。