日産自ゴーン氏:九州工場は部品の8-9割を地元とアジアから調達

仏ルノーと資本・業務提携関係に ある日産自動車のカルロス・ゴーン最高経営責任者(CEO)は20 日、生産子会社の日産自動車九州(福岡県)を訪ね、九州工場では部 品の8-9割を地元の九州とアジアから調達していく考えを明らかに した。中国や韓国などからの調達でコスト削減を図る。

九州工場は現在、部品の3割程度を関東地域から調達している。 これを地元やアジアの競争力の高い部品に切り替えていく。日産自動 車九州は円高や新興国勢の台頭による競争激化を受け、日産自が九州 工場を母体に8月に設立した完全子会社で、地元やアジア地域からの 部品調達のほか、現地雇用の活用などを進める。

ゴーン氏は中国からの部品調達について、現地の日系メーカーか らの調達も含むと指摘した。中国や韓国とシームレスな(途切れない) 物流の実現を目指すという。また、九州工場以外に関しては、現段階 で分社化の計画はないと語った。九州工場と、日産車体の完全子会社 の日産車体九州と合わせ、今年度50万台以上を生産する計画で、米国 方面60%と欧州方面20%で輸出が80%程度になる。

日産自では現在、国内やメキシコ、中国のどの工場もフル稼働状 態になっており、ゴーン氏は生産能力の増強が必要との認識を示した。 日産自動車九州の児玉幸信社長は、九州工場で10月から期間従業員を 数百人増員する方針を明らかにした。

昨年度の九州工場からの輸出は、北米向け約19万4000台、欧州 向け約5万2000台、中南米向け約2万6000台、東南アジア向け約1 万5000台など。生産能力は年間約43万台。

全工場の海外調達率2割を4割へ

日産自は国内生産100万台を維持する方針を繰り返し表明してい る。日産自の昨年の国内生産は約113万台で、うち約67万台を輸出し ている。海外部品の調達率は現在、全工場平均で約2割となっており、 アジアなど海外からの調達率を4割程度に引き上げコスト削減を図る。

厚生労働省が公表している都道府県別の最低賃金時間額は、昨年 度の全国加重平均が730円に対し、九州工場のある福岡県が692円。 北九州市産業誘致課によると、有効求人倍率が全国平均0.91に対し、

0.70と雇用を確保しやすいほか、自動車産業の集積が進んでおり、部 品の調達がしやすい環境にある。

自動車調査会社カノラマの宮尾健アナリストは、円高への対抗に は現地生産が理想的だが、「工場を持たない国・地域で販売をするため の輸出用と位置付けているのだろう」と語った。一方、コストで大き いのは人件費や労務費であり、九州の最低賃金が低いとはいえ、この 円高での国内生産は効率が悪いというのは変わらないとみている。同 じ地域にはトヨタのエンジン工場もある。

円高はピークで異常な水準は終わる

一方、最近の円高について、ゴーン氏は、円高はピークにあり、 異常な水準は終わるだろうと述べた。また、円高は日本経済にとって 持続可能でないとの認識も示した。

日産自の株価は今年、東日本大震災の直後の3月15日に636円ま で下がった後は持ち直したが、7月に下落へ転じて8月23日には619 円まで下がった。9月20日の終値は前営業日比3.5%安の665円。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE