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ユーロ対円で約10年ぶり安値圏、債務懸念根強い-ドル・円76円半ば

東京外国為替市場ではユーロが下 落。対円では約10年ぶりの安値圏で推移した。ギリシャの債務問題の 長期化でユーロ圏経済への影響が懸念される中、イタリア国債が格下 げされたことを受けて、再びユーロ売り圧力が強まった。

ユーロ・円相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=103円97銭と、 今月12日に付けた2001年6月以来の安値103円90銭に接近。その後、 104円台後半に値を戻したが、東京市場では一時103円99銭まで下押 された。ユーロ・ドル相場は海外市場で一時1ユーロ=1.3587ドルと、 4営業日ぶりの安値を付けたあと、1.37ドル台前半まで反発。しかし、

1.36ドル台後半で東京市場の取引を迎え、一時は1.3594ドルに水準 を切り下げている。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、ギリシャが財 政赤字の削減目標に向けて実行できるのかというと、「かなり厳しい」 といった感があると指摘。さらに、同国でユーロ残留をめぐる国民投 票が実施される可能性も報じられるなど、「まだかなり不透明さがあ る」として、ユーロは「状況からすると買えない」と言い、1.35ドル 割れを目指す動きもあり得るとみている。

また、佐藤氏は、欧州問題を背景にリスク回避の動きになりやす い中、スイス政府が無制限の介入でフラン高の進行を阻止している状 況下で、「最終的には円買い」になってくると指摘。半面、76円割れ で円売り介入が入るとの観測を背景に、介入警戒感が生じやすい面も あると説明している。

前日の海外市場で一時1ドル=76円33銭と、戦後の円最高値75 円95銭を付けた8月19日以来の水準まで円高が進んだドル・円相場 は、東京市場で一時76円76銭までドルが反発。その後は再びじりじ りと円買い圧力がかかり、正午にかけて76円45銭まで円が水準を切 り上げた。午後の取引では76円台半ばを中心に取引された。

ユーロ圏内で影響拡大

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は19日、 イタリアの長期と短期のソブリン格付けを「Aプラス/A-1プラス」 から「A/A-1」に引き下げた。見通しはネガティブとしている。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、伊国債の格下げに ついて「財政問題が一朝一夕には解決しないのは覚悟の上だったとは いえ、景気鈍化の中で周辺国の債務問題がなかなか解決しないと、こ れが一回り経済規模の大きな国へ伝播していく可能性を強く印象付け た」と指摘する。

また、スペイン銀行(中央銀行)が19日にウェブサイト上で発表 したデータによると、同国内銀行の総融資に占めるデフォルトの割合 は7月に17年ぶり高水準に達している。

ギリシャのベニゼロス財務相は19日、欧州中央銀行(ECB)、 欧州委員会、国際通貨基金(IMF)の代表と電話で会議を行った。 電子メールで発表されたコメントでは、「生産的で実のある協議だっ た」との見解が示された。引き続き20日にも電話会議を行うという。

ギリシャ紙カティメリニが匿名の関係者を引用して報じたところ によると、パパンドレウ首相は同国のユーロ残留か離脱かに関する国 民投票を検討しているという。

FOMC

米国では20日から2日間、連邦公開市場委員会(FOMC)が開 かれる。上田ハーローのシニアアナリスト、山内俊哉氏は、市場は短 期債を売却して、長期債を購入する「ツイストオペ」を織り込む格好 になっていると言い、短期金利の上昇見通しを背景に「足元だけを見 ると多少はドルの押し上げ効果になる可能性がある」と分析する。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル・インデックスは前日の海外市場で一時77.519と、4営業日ぶり の高値を付け、この日の東京市場では77台前半で推移している。

一方で、山内氏は、前回FOMCで反対票を投じたメンバー3人 の動向も注目されるとし、株の下落を通じてリスク回避の動きが促さ れる展開もあり得ると予想。半面、失業率やインフレなど、金融政策 の目標が明確に打ち出された場合は、「それに向かって緩和が続く」と いう期待につながるとして、株式市場にはプラスに働くともみている。

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