米S&P:イタリア格付け「A」に引き下げ-見通し「ネガティブ」

米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)は19日、イタリアの格付けを「A」とし、従 来の「Aプラス」から1段階引き下げた。見通しは引き続き「ネガテ ィブ」とした。経済成長の弱まりと「脆弱(ぜいじゃく)な」政権基 盤によって、イタリアが債務負担を軽減できないとの懸念を示した。

S&Pは発表文で、同国政府の純債務が「A」格付け国で最高水 準となっており、現時点の見通しでは、今後純債務がピークに達し、 従来予想よりも高水準になると見込まれると説明した。

2011-14年の経済成長率についても、従来の年平均1.3%から同

0.7%に下方修正した。「経済活動のペースが弱まっていることで、政 府が手直しした財政目標の達成が困難になると考えている」と指摘し た。

S&Pは「われわれの見解では、イタリアの成長見通しは弱まり つつあり、同国の連立政権の脆弱性と議会内の政策の相違により、同 国政府が国内外のマクロ政策課題に断固として対応する能力が引き続 き制限される」と指摘した。

ユーロ圏では今年に入ってスペインとアイルランド、ポルトガル、 キプロス、ギリシャ各国が格下げされた。イタリアは借り入れコスト が8月にユーロ導入後の最高水準に上昇したことを踏まえて財政緊縮 策をまとめ、欧州中央銀行(ECB)に国債購入を促した。今月には 540億ユーロ(約5兆6300億円)の緊縮策が議会で最終承認されてい る。13年の予算均衡を目指す同緊縮策はS&Pの判断に影響を及ぼす には至らなかった。

政治情勢悪化も

今回の格下げは、ベルルスコーニ首相自身が4件の訴訟を抱える 同国の不安定な政治情勢に拍車をかける恐れがある。イタリアはこの 10年、経済成長率が実質ゼロで、債務削減が困難な状況となっている。 政府債務は昨年時点で国内総生産(GDP)比119%と、ユーロ圏で はギリシャに続く高水準。

ギリシャに続いて欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に 支援を要請したアイルランドとポルトガルと異なり、イタリアは7月 まで債務危機の最悪の影響を回避できていた。

イタリアの10年の財政赤字はGDP比4.6%で、フランスとドイ ツを下回るものの、政府債務は今年、同120%に達する見通しだ。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE