債券上昇、長期金利は一時1週間ぶり低水準-欧州債務懸念根強い

債券相場は上昇。長期金利は一時

0.985%と1週間ぶりの低水準を付けた。ギリシャのデフォルト(債務 不履行)懸念を背景に、前日の米国債相場が続伸し、内外株式相場が 下落したことを受けて買い優勢の展開となった。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、「欧州債務問題では、抜本的な解決策が見えず、リスク回避的な動 きが続いている。週末に開かれた欧州の財務相会合でも、ギリシャに 対する10月の資金繰り合意が精一杯で、デフォルト懸念が続いている。 避難通貨として円に資金が流れやすく、安全資産への逃避の動きが出 やすい」と述べた。

東京先物市場で中心限月12月物は前週末比28銭高の142円80 銭で始まった。日経平均株価が3営業日ぶりに反落して始まり、下げ 幅を拡大すると、直後から買いが増えて6日以来の高値となる142円 84銭まで上昇した。その後は142円70銭台を中心にもみ合い、結局 は21銭高い142円73銭で引けた。

12月物の日中売買高は1兆724億円にとどまり、中心限月ベース で8月15日以来およそ1カ月ぶりの低水準となった。

損保ジャパン日本興亜アセット・マネジメントの平松伸仁シニア インベストメントマネジャーは、「欧州をめぐる金融不安を背景に『質 への逃避』で欧米金利が低下していることが日本の金利にも影響して いる」と話した。

19日の米国債相場は続伸。ギリシャのパパンドレウ首相が訪米を 中止し、国際支援受け取りに向けた取り組みに注力するため国内に残 ると述べたのが手掛かり。連邦準備制度理事会(FRB)が今週、借 り入れコストの低下を目指し、償還期限の長い国債の保有を拡大する 計画を発表するとの見方も買い材料となった。米10年債利回りは

1.95%程度と2%台だった前週末から大幅に水準を切り下げた。一方、 19日の米株式相場は反落。S&P500種株価指数は1%安の1204.09。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は19 日、イタリアの格付けを「A」とし、従来の「Aプラス」から1段階 引き下げた。見通しは引き続き「ネガティブ」とした。

新発10年債利回りは一時0.985%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の317回債利回 りは、前週末比2ベーシスポイント(bp)低い0.985%と13日以来の低 水準で始まった。その後も同水準で推移したが、午後2時20分過ぎか らは1.5bp低い0.99%で推移している。また、5年物の99回債利回 りは一時1.5bp低い0.33%まで低下。新発5年債利回りとして7日以 来の水準まで下げた。

損保ジャパン日本興亜アセットの平松氏は「欧米の長期金利が過 去最低水準に低下しているわりに、日本は1%弱で下げ渋っている感 じ。欧州債務問題が解決されずにずるずる行くと、日本に低下圧力が かかる」との見方を示した。

FOMC見極め

FRBが20、21日に開くFOMCでは、短期債を売却して長期債 を購入する「ツイスト・オペ」が導入されるとの観測が出ている。バ ーナンキ議長は8日、ミネアポリスでの講演で、景気浮揚のための手 段を「適切に利用する用意がある」と語った。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「追加緩和が濃 厚。超過準備への付利切り下げ、量的緩和第3弾(QE3)なども想 定されるが、FRBがバランスシートの大きさを変えずに長期金利低 下を促したいならば、ツイスト・オペの可能性が高そうだ」と予想。 「逆にQE3に踏み切った場合は、サプライズだが、リスク資産高に つながるかは疑問であり、ドル安進行が円金利低下につながるのでは ないか」とみている。

こうした中、日本証券業協会が20日発表した8月の公社債投資家 別売買高(短期証券を除く)によると、生保・損保は1兆5211億円の 買い越し、外国人投資家は8176億円の買い越しとなった。一方、都市 銀行は1兆1485億円の売り越しに転じた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE