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UBS:損失は23億ドル、当初見積もり以上-CEOは引責辞任否定

スイス最大の銀行UBSは、未承 認のトレーディングによる損失が当初見積もりを上回る23億ドル(約 1800億円)相当となることを明らかにした。オズワルド・グルーベル 最高経営責任者(CEO)は引責辞任の観測を否定した。

UBSは15日に損失について明らかにし、規模を20億ドル前後 と見積もっていた。損失はS&P500種株価指数とドイツ株の指標で あるDAX、ストックス欧州指数の先物についての過去3カ月の取引 によって生じたという。ロンドンの警察当局は16日、31歳のトレー ダーを詐欺と不正会計の罪で起訴。UBSは18日に損失について最新 の情報を明らかにした。

UBSは発表文で「問題のポジションは大規模な世界的トレーデ ィングを行う企業として通常の業務フローの枠内で、適正にヘッジさ れたポートフォリオの一部だった」と説明した。リスクの大きさは「架 空のポジション」によって隠されていたという。

金融危機の中で過去最大の損失を出したUBSを立て直すため、 2009年に現役に復帰しUBSのCEOに就任したグルーベル氏(67) はスイス紙ゾンタークに対し、今回の損失の責任を取って辞任する考 えはないと語った。広報担当のセルジュ・シュタイナー氏はCEOの 発言内容を確認した。一方でグルーベルCEOはスイスのテレビ局と の別のインタビューで、最終的な責任は自身にあるとして結果を受け 入れると語った。

グルーベル氏はトレーダー出身でUBSの最大のライバル、クレ ディ・スイス・グループのCEOも務めた。チューリヒ大学で金融史 を専門とするトビアス・ストラウマン氏は「グルーベル氏のように投 資銀行の業務を知り尽くした人間でも、災厄を防ぐことはできないこ とが分かる」と述べた。ストラウマン氏は米サブプライム(信用力の 低い個人向け)住宅ローン危機の際にUBSから内部管理の調査を委 託されていた。

グルーベル氏のほか、投資銀行部門責任者のカーステン・ケンジ ェター氏の去就にも注目が集まる。

UBSは損失が過去3カ月に発生したとしているものの、ロンド ンの警察はクウェク・アドボリ被告(31)を2008年10月まで遡る不 正会計と09年1月以降の詐欺の罪で訴えている。裁判所の資料が示し ている。

同被告は罪状認否をしていない。同被告の弁護を務める法律事務 所のキングズリー・ネープリーはコメントを控えた。

UBSは個人名には触れず、問題のトレーダーが同行の管理部門 によるポジションの調査中に未承認の取引活動について認めたと説明 している。問題を発見した後にリスクをヘッジし、株式事業は通常通 りのリスクの枠内で行われているという。

UBSは15日の早朝にこの取引について警察に通報し、アドボリ 被告は午前3時30分に逮捕された。次回審理の22日までは身柄を拘 束される。

英金融サービス機構(FSA)とスイスの金融監督当局はUBS のトレーディング損失について調査する。英紙サンデー・テレグラフ によれば、会計事務所のデロイトが両当局から委託を受け調査する。

UBS株は損失について明らかにした15日は11%安。翌16日は

5.2%高と反発し、10.26スイス・フランで週を終えた。

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