米国債(16日):上昇、欧州が景気刺激の可能性を排除

米国債相場は上昇。欧州の財務相 が追加景気刺激の可能性を排除したことで、欧州ソブリン債懸念に伴 う逃避需要が再び強まった。

10年債利回りは低下。欧州中央銀行(ECB)は前日、金融機関 への流動性維持に向けた措置を発表した。ガイトナー米財務長官は16 日、ポーランドで開かれたユーロ圏の財務担当相との会合で、各国は 結束して景気低迷の「長期化」を回避する必要があると述べた。

ウンダーリッヒ・セキュリティーズのマネジングディレクター兼 米国債トレーディング責任者、マイケル・フランゼーズ氏(ニューヨ ーク在勤)は「投資家は長期債買いに戻りつつある。明確な質への逃 避だ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後5時16分現在、10年債利回りは前日比3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の2.05%。同年債(表面利率

2.125%、2021年8月償還)価格は10/32上げて100 22/32。

10年債利回りは週間ベースで13bp上昇と、7月1日終了週以 来の大幅な上げ。4日前には1.8770%と過去最低を付ける場面があ った。30年債利回りはこの日3.31%。週間で7bp上昇した。

景気刺激の可能性を否定

ユーロ圏の財務相らは、低迷する景気を浮揚させるための取り組 みを拒み、前日のECBによる流動性供給の決定に沿うような銀行支 援の方針も示さなかった。

10年債利回りは前日、3週間で最大の上昇となった。ECBは、 米連邦準備制度理事会(FRB)など世界の中銀との協調の下、ユー ロ圏の銀行にドル資金を供給すると発表した。

ウェストLBの債券ストラテジスト、マイケル・レスター氏は「利 回りは今週戻してきているが、それは前半にいくつか良いニュースが 聞かれたからだ。だが、依然として多くの不確実要素が残っているこ とを考えると、このセンチメント改善が続くかどうか分からない」と 述べた。

ガイトナー長官は、欧州は自らの運命が金融市場や国際通貨基金 (IMF)への資金拠出国の手に委ねられることを避けるため、債務 危機を解決することを選ばなければならないと発言した。

米国債の上昇

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチによれば、米国 債の年初来のリターンは7.8%で、このままいけば年間リターンは金 融危機が最も深刻だった08年以降で最高となる。30年債のリターン は23%。

20日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)では、保有資 産の中で期間が短めの国債を売却して長めの国債に入れ替えるツイス トオペの実施を決定する可能性がある。

ジャニー・モンゴメリー・スコット(フィラデルフィア)のチー フ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏は「当社はFOMCがツイ ストオペ実施を決めると予想し、投資家に長期債を買うよう勧めてい る」と述べた。