UBS損失事件:逮捕のトレーダー、詐欺と不正経理で警察が訴追

ロンドン市警察は16日、スイス の銀行UBSのトレーディング損失に絡み15日に逮捕した同行トレ ーダー、クウェク・アドボリ容疑者(31)を詐欺と不正経理の罪で訴 追した。

ロンドン市警の発表によると、同警察は英検察庁(CPS)から 訴追の許可を得た。捜査は継続しており、警察は金融監督当局である 金融サービス機構(FSA)および知能犯罪を扱う重大不正監視局(S FO)と協力している。

アドボリ容疑者は16日午後、ロンドンの裁判所に出廷。裁判所 の決定により22日まで身柄が拘束されることになった。同時点で再 度、裁判書に出廷し保釈を求めることができるという。裁判官は、罪 状は極めて重大であり捜査妨害の恐れもあることから拘束を続けると 説明した。

UBSの広報担当のリチャード・モートン氏はコメントを控えた。

アドボリ容疑者は15日午前3時30分に、職権乱用による詐欺の 疑いで逮捕された。UBSが警察に、行員である同容疑者の逮捕を求 め、同容疑者はロンドン中心部の警察署に身柄を拘束された。

アドボリ容疑者はUBSで、顧客が行う証券バスケット運用での 投機やヘッジを手伝う「デルタ・ワン」部門に勤務していた。同部門 は取引を行うために自行の資金でのリスクも取っていた。UBSは事 件に関し顧客のポジションには影響がないと説明した。

ニック・リーソン氏を弁護した法律事務所

アドボリ容疑者はロンドンの刑事専門法律事務所、キングズリ ー・ネープリーに弁護を依頼した。同事務所は14億ドルの損失で1995 年に英名門投資銀行ベアリングズを破綻させたニック・リーソン氏の 弁護を務めた。

また、事情に詳しい複数の関係者によると、UBSはロンドンの 法律事務所、ハーバート・スミスを代理人に起用した。