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ユーロが1週ぶり高値付近から反落、債務懸念で徐々に売り強まる

東京外国為替市場では午後の取引 で、ユーロが約1週間ぶりの高値付近から反落した。欧米日によるドル 資金供給強化を好感して、前日の海外市場ではユーロが急伸したが、欧 州債務危機への懸念が払しょくされていないとみられ、欧州連合(EU )財務相会合を控えて、ユーロは徐々に売りに押される展開となった。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で1ユーロ=1.3937ドルと9 日以来の水準までユーロ高が進んだが、この日の東京市場では1.38ド ル台で徐々に上値が重くなり、午後には一時1.3784ドルまで値を切り 下げた。

野村証券金融市場調査部の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは EU財務相会合を控えて「何が出てくるかわからないということで、今 までユーロを売ってきた分の買い戻しをするきっかけとして、きのうの ドル供給の強化というのは非常にいい材料だった」と説明。ただ、ドル 供給強化は「痛み止め」にはなっても、根本的な問題の「治療にはまっ たくなっていない」とし、ユーロについては「どちらかという下を見た 方がいい」と語った。

一方、ドル・円相場は1ドル=76円後半で小動き。対ユーロでド ルがじり高気味に推移するなか、ドルも対円で小じっかりとなったが、 上値は76円87銭までとなった。

池田氏は、基本的にドル・円相場は蚊帳の外の状態だが、「8月の 介入以降、78円をいう相場を一度も見ないなかで、実需のドル売りが 抱え込まれてしまっている可能性がある」と指摘。「このまま四半期末 に突入していくとなると、どこかで投げ売り的なドル売りが出てくる可 能性がある」点には注意が必要だと話した。

ドル資金供給を強化

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、ユーロ圏各国政府に対 し、債務危機を食い止めるために断固たる行動を取るよう強く求めた。 総裁は、EUがポーランドのブロツワフで開く16日の財務相理事会を 控えて、主要中銀が債務危機で打撃を受けた欧州の銀行へのドル資金供 給で協調したのと同じように欧州の財務相らも「目的の一致」を示す必 要があると訴えた。

ECBは15日に米連邦準備制度理事会(FRB)やイングランド 銀行(英中銀)、日本銀行、スイス国立銀行と協調し、期間約3カ月の ドル建て流動性供給オペを3回実施すると発表。みずほ証券の鈴木健吾 FXストラテジストは、各国の中央銀行が手を結んで危機を抑え込もう とする姿勢が示されたことは評価されると話した。

欧州銀の資金調達懸念の後退から、15日の欧米株式相場は金融株 主導で続伸。同日の外国為替市場ではユーロの買い戻しが活発化した一 方、リスク回避圧力の緩和により、逃避通貨とされるドルや円が売られ る展開となった。

ユーロ・円相場は海外時間に一時、先週末以来の水準となる1ユー ロ=106円99銭までユーロ高が進行。ただ、その後は106円半ば付近 でのもみ合いとなり、この日の東京市場では午後の取引で105円87銭 までユーロが軟化した。

財務相会合

ユーロ圏財務相会合は16日午前7時半(日本時間午後2時半)か ら開かれ、正午から記者会見が行われる。EU財務相理事会はこの日の 午後と17日午前に開催される。

会合ではギリシャ支援や救済基金の拡充方法、ユーロ共同債などが 協議される。財務相理事会には開催国であるポーランド政府の招待で、 ガイトナー米財務長官も出席する。ユーロ圏の危機対応を協議する会合 に同長官が参加するのはこれが初めて。

野村証の池田氏は、「ドイツ議会によるEFSF(欧州金融安定フ ァシリティー)拡充の承認もまだ先だし、今回の財務相会合でもギリシ ャ向け第2次支援をめぐるフィンランドの担保問題で調整の進ちょくは 見られないのではないか」と予想。「あり得るのは、今週ギリシャと独 仏の首脳が出した宣言をもう一度出すということだ」と指摘した。

サルコジ仏大統領とメルケル独首相は14日、ギリシャのパパンド レウ首相と電話会談し、同国が今後ともユーロ圏にとどまるのを「確信 」しているとの声明を発表した。パパンドレウ首相は国際的な支援の条 件である財政赤字削減目標を達成する決意を示した。

みずほ証の鈴木氏は、引き続きギリシャの金利が「デフォルト(債 務不履行)前提レベル」にあることは間違いなく、ユーロ参加国がデフ ォルトに陥った場合の態勢やルールがない中で、「不安のドミノ倒し的 な拡散」に対する警戒感は根強いと指摘。ユーロの上値をどんどん買っ ていく雰囲気ではないと話していた。

国際通貨基金(IMF)の朱民副専務理事は16日、欧州の債務危 機は「危険な新しい局面」に入ったとの見解を示した。中国の大連市で の世界経済フォーラム(WEF)夏季ダボス会議で語った。同副専務理 事は危機が銀行業界に波及することを懸念していると述べた。

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