米国株:4日続伸、ユーロ圏銀行向けドル供給発表を好感

米株式相場は4日続伸。信用危 機の収束を目指し、欧州中央銀行(ECB)は日米など各国金融当局 と協調してユーロ圏銀行にドル資金を供給すると発表。このニュース を受けて、失業者増加による景気悪化懸念が和らいだ。

ECBが米連邦準備制度理事会(FRB)など各国金融当局と協 調して欧州の銀行に流動性を供給する取り組みを発表。これを受け、 バンク・オブ・アメリカ(BOA)とJPモルガン・チェースの株価 は上昇した。ゼネラル・エレクトリック(GE)や石油のシェブロン など景気敏感株も高い。一方、オンラインの映画レンタル会社ネット フリックスは、国内契約者数の見通しを下方修正したことが嫌気され 19%下落した。

S&P500種株価指数は前日比1.7%高の1209.11。同指数 は今週に入り4日間で4.8%上昇した。ダウ工業株30種平均は

186.45ドル(1.7%)上げて11433.18で引けた。

ウェルズ・ファーゴ・ファンド・マネジメントのチーフ・ポート フォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ヤコブセン氏は電話インタ ビューで、「各国中銀が協調行動をとる意義は大きい」とし、「中央 銀行が欧州の市中銀行に流動性を提供する用意があるということは、 恐らく米連邦公開市場委員会(FOMC)が追加緩和に動くという ことを示唆する」と述べた。

ECBはFRBや日本銀行など世界の中銀との協調の下に、ユー ロ圏の銀行にドル資金を供給する3カ月物オペを実施すると発表。市 中銀行の年末越えのドル資金確保を支援する。発表を受けて株式相場 は上昇した。前日に独仏首脳がギリシャのユーロ圏離脱はないとあら ためて強調したことで、政策当局は欧州の債務危機を収束させつつあ るとの楽観的な見方が広がっていたが、この日の発表は市場にさらな る安心感をもたらした。

リセッション懸念和らぐ

欧州の債務危機が悪化する中、世界経済はリセッション(景気後 退)に陥るとの懸念を背景に、S&P500種は4月末から8月8日ま でに18%下落した。それ以降、同指数は8%戻した。

フィデュシャリー・トラスト(ボストン)のマイケル・マレーニ ー氏は電話インタビューで、「欧州発のリスク要因が若干緩和された のはいいことだ」と述べ、「米国には流動性の問題はない。あるのは 需要の問題だ。欧州は需要も問題だが、差し迫った流動性の問題があ る。欧州の金融システムを脅かしかねない流動性の問題に当局は対応 している」と説明した。

この日はS&P500種を構成する主要10業種全てが上昇した。 特に金融、エネルギー、産業株の上げが目立った。モルガン・スタン レー・シクリカル指数は2.2%上昇。経済活動の指標と見なされるダ ウ運輸株平均は1.4%高だった。KBW銀行指数(24銘柄)は

2.3%上昇した。

金融株が好調

シティグループは4.4%高の28.59ドル。BOAは4%上げて

7.33ドルと、ダウ構成銘柄中で値上がり率1位だった。JPモルガ ンは3.1%高の33.81ドルで引けた。

スイスの銀行最大手のUBSは、米市場で株価が10%安の

11.41ドルとなった。同行は投資銀行部門での未承認の取引によっ て約20億ドルのトレーディング損失が発生し、第3四半期の業績が 赤字となる可能性を明らかにした。

ダウ30種平均は全構成銘柄が上昇した。世界最大のジェットエ ンジンメーカー、GEは2.8%高の16.08ドル。シェブロンは2% 上げて99.26ドルだった。

ネットフリックスは19%安の169.25ドルと、08年4月以来 の下げとなった。今四半期のDVDのみのレンタル顧客数は220万 人との見通しを示したことが手掛かり。従来予想は300万人だった。 ストリーミング配信のみのレンタル顧客数も980万人と、従来の 1000万人から予想を引き下げた。