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NY外為:ユーロ上昇、ドル資金供給発表で流動性不安が緩和

ニューヨーク外国為替市場で はユーロが対ドルで上昇。一時は1カ月ぶりの大幅高となった。欧 州中央銀行(ECB)がユーロ圏内の金融機関にドル資金を供給す るオペを実施すると発表。域内ソブリン債危機に関連する流動性懸 念が緩和された。

ECBは米連邦準備制度理事会(FRB)などとの協調に基 づき、3カ月物資金入札を3回実施する。欧州金融機関の年末越え ドル需要を満たすのが狙い。この日のドルは、予想よりも悪かった 経済統計に反応して下げた。

オーストラリアのウエストパック銀行のシニア為替ストラテ ジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は、 「ユーロは短期間でかなり下げたので、どこかで安定した水準を見 つける必要があった」と述べ、「多くの細かい材料が重なりユーロ 買いを支えた」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで0.9% 上昇して1ユーロ=1.3877ドル。一時は1.3%高と、8月15日 以来で最大の上げとなった。ドルは対円では1ドル=76円70銭。 一時は0.9%上昇した。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE) のドル指数は0.7%下げて76.290。

ECBの供給オペ

欧州の銀行がスワップ市場でドル資金を借り入れる際のプ レミアムはECBの発表後に低下した。ブルームバーグのまとめた データによると、1年物クロス通貨ベーシススワップのレートは

5.28ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて、欧州銀 行間取引金利(EURIBOR)を93.13bp下回っている。

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業ディレクター、カー ル・フォチェスキ氏は、「市場が凍結しないよう、各国中銀が十分 な流動性を供給しようと試みている」と述べた。

ユーロは今月に入り3.4%下落している。投資家の間で債務 危機の波及懸念が広がり、銀行の資金調達コストが上昇、世界的に 相場が激しく変動した。

「問題は解決していない」

フランスのサルコジ大統領とドイツのメルケル首相は前日、 ギリシャが今後ともユーロ圏にとどまると「確信」しているとの声 明を発表した。両首脳はギリシャのパパンドレウ首相との電話会談 後に、ギリシャ支援を継続する用意があることを示唆した。パパン ドレウ首相は国際的な支援の条件である財政赤字削減目標を達成す る決意を示した。

ウエストパック銀行のシニア為替ストラテジスト、ローレ ン・ロスボロー氏(ロンドン在勤)は、「市場を落ち着かせるには 有益だったが、率直に言って問題は解決していない」と述べ、「ギ リシャがユーロ圏にとどまることを確信していない投資家は多い。 ユーロへのリスクは今も存在する」と指摘した。

この日スペインで実施された償還期限2019、20年の国債入 札(39億5000万ユーロ)もユーロの買い材料だった。目標最高 額は40億ユーロだった。

スイス・フランは対ユーロで0.1%安。これで3日続落。 スイス国立銀行(SNB、中央銀行)は15日の政策決定会合で、 ゼロ金利政策の維持を決定するとともにスイス・フラン高の阻止を 続けると強調した。同中銀は先週、リセッション(景気後退)リス クを払拭(ふっしょく)するため、フランの対ユーロ相場に上限を 設けている。

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