ユーロ反落、スペイン入札やEU財務相会合を警戒-ドルは76円台後半

東京外国為替市場ではユーロが反 落。この日はスペインで国債の入札が控えているほか、16日からの欧 州連合(EU)財務相会合を前に、市場には悪材料への警戒感がくすぶ っており、再びユーロ売り圧力が強まった。

ユーロ・円相場は朝方に付けた1ユーロ=105円54銭を上値にじ り安に展開。午後には一時105円10銭まで水準を切り下げる場面もみ られた。午後3時30分現在は105円36銭付近で推移。前日の海外市 場で1ドル=1.3783ドルまで値を戻していたユーロ・ドル相場は、東 京市場で徐々に売り優勢となり、一時は1.3704ドルまで下押されてい る。

一方、ドル・円相場はユーロ主導の展開の中、朝方に付けた1ドル =76円62銭をドルの下値に一時は76円80銭まで値を戻した。しか し上下ともに限定的で、同時刻現在は76円70銭付近で取引されてお り、結局、日中の値幅はわずか18銭にとどまった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券クレジット市場部為替課長の 塩入稔氏は、ユーロは足元で急速な下落スピードを調整する動きを背景 にやや水準を戻してはいるが、スペインの入札などユーロ圏発の材料に 振らされる展開が続くと指摘。その上で、「どちらかというと依然とし てネガティブな方向への警戒心は解けない」としている。

海外市場でユーロ売り再燃も

スペイン政府は15日に最大40億ユーロ規模の国債入札を実施す る。13日にイタリア政府が5年債を中心に実施した入札では、合計の 調達額が最高目標の70億ユーロを下回る結果となっており、引き続き ギリシャ問題長期化の影響波及が警戒される。

そうした中、EU財務相会合が16、17日にポーランドで開かれる。 オーストリア議会の財政委員会は、欧州の救済基金である欧州金融安定 ファシリティー(EFSF)拡充案を議題として審議することを否決し ており、債務問題に絡む危機対応で域内の足並みがそろうかどうかには 不透明感がくすぶっている。

同会合に出席する米国のガイトナー財務長官は14日、ニューヨー クでの会議で、欧州の首脳らは「一段と行動せねばならない」ことを認 識していると語っている。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、EU財務相会合 を控えてEFSFの拡充やユーロ共同債などの議論が注目されるが、ド イツなど負担増加が見込まれる国では国民の合意は得にくいとみられ、 議論の進展に「ブレーキがかかる可能性が残る」と指摘する。

また、佐藤氏は、基本的に欧州債が売られやすい環境の中、スペイ ンの入札結果には警戒感もあり、海外時間にかけて「ユーロにとってプ ラスの材料は期待できない」として、1.36ドル割れを目指す可能性は 十分あるとみている。

アジアからの欧州支援期待も

一方で、EFSFのフランケル最高財務責任者(CFO)は15日、 シンガポールでの講演で、EFSFが債券購入を調整する方法について 欧州中央銀行(ECB)と検討していることを明らかにした。

また、同CFOは、EFSFがアジアから「重要な支持」を獲得し たとも述べている。さらに、アイルランドは軌道に戻り、競争力を回復 しつつあると指摘。ポルトガル向けプログラムも軌道に乗っていると語 った。

中国国家発展改革委員会(発改委)の張副主任は、大連で開催中の 世界経済フォーラムの夏季ダボス会議で、中国は能力の範囲内でユーロ 圏の国債を購入すると語った。

14日にはギリシャと独仏の首脳が電話で会談。メルケル独首相と サルコジ仏大統領は「ギリシャが今後もユーロ圏内にとどまることを確 信」しているという。さらに、ギリシャのパパンドレウ首相は、国際救 済策で条件の一つである財政赤字削減目標を達成する決意を表明してい た。

大和証券債券部担当部長の亀岡裕次氏は、ギリシャと独仏の電話会 議やユーロ圏共同債の話などは「いずれにしろデフォルト(債務不履行 )懸念を弱める働きをした」と指摘している。

EUの行政執行機関、欧州委員会のバローゾ委員長は14日、ギリ シャが示した最新の財政再建策を「重要」だと述べた上で、ユーロ圏共 同債をめぐる選択肢を「近く」提示すると表明していた。

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