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「ブラックスワン・ファンド」の成績急上昇-欧州債務危機の深刻化で

過去70年で最大のリセッション(景 気後退)をきっかけに、市場の衝撃に備える目的で設立された「ブラ ックスワン・ファンド」と呼ばれるヘッジファンドの運用成績が急上 昇している。欧州の債務危機の深刻化で世界の市場に影響が及んでい るためだ。

サバ・キャピタル・マネジメントでは、ごくまれにしか発生しな いが実際に起これば多大な損失をもたらすいわゆる「テールリスク」 に備えるファンド(運用資産5億5000万ドル=約421億円)のリター ンが9月にプラス11.5%となっている。8月はプラス15%だった。事 情に詳しい関係者1人が明らかにした。事情に詳しい投資家によれば、 パイン・リバー・キャピタル・マネジメントのテールファンドの8月 のリターンはプラス14.5%。両関係者は運用成績が非公開だとして匿 名を条件に語った。

欧州首脳が信認の危機を食い止められないとの懸念が高まり、ヘ ッジファンドのリターンは7月30日以降、マイナス4.8%に低迷。ギ リシャやイタリアの借り入れコストはユーロ導入以降で最高に達して いる。こうした中でサバの運用成績が好調なのは、ジャンク(高リス ク・高利回り)債が月間ベースで2008年のリーマン・ブラザーズ・ホ ールディングスの経営破綻後の数カ月以来最大の下落を演じたことが 背景にある。

ドイツ銀行のクレジットのトレーダーを経てサバを設立したボア ズ・ワインシュタイン氏は「このテールファンドはクレジットに集中 したことで恩恵を受けた。株式はそれに比例するほどの動きをみせて いないからだ」と説明。「ソブリン債や銀行の支払い能力をめぐる懸念 や不確実性のレベルを考えると、とりたてて驚くようなことではない」 と付け加えた。

ワインシュタイン氏は自身のファンドの詳細なリターンについて コメントを控えた。パイン・リバーの広報担当者もコメントしなかっ た。

起こりそうもない事象に備えてヘッジする手法は、ナシーム・タ レブ氏らのトレーダーが1980年代に開発した。タレブ氏は2007年の 著書「ブラック・スワン」の中で、確率モデルに依存し過ぎたバンカ ーは大惨事の可能性に気付いていないと警告している。

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