米国株:続伸、独仏のギリシャ支援確認で欧州危機の不安後退

米株式相場は3日続伸。フラン スのサルコジ大統領とドイツのメルケル首相がギリシャはユーロ圏に とどまると確信していると表明したことが好感された。

S&P500種株価指数を構成する主要10業種は全て上昇した。 米ゼネラル・エレクトリック(GE)やホーム・デポ、遺伝子組み換 え穀物開発最大手のモンサントを中心に、景気敏感株が高い。経済活 動の指標と見なされるダウ運輸株平均は2%上昇。フェデックスは

1.4%高。パソコン(PC)メーカーのデルは3.3%上昇した。取締 役会が50億ドルの追加自社株買いを承認したことを好感して買いが 膨らんだ。

S&P500種は前日比1.4%高の1188.68。今週に入り3%上 昇し、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念で9日に値を下げた 分を取り戻した。この日は取引終了間際にそれでまでの上げを約

2.5%縮小した。ダウ工業株30種平均は140.88ドル(1.3%)高の

11246.73ドルで引けた。

ハンティントン・アセット・アドバイザーズのシニアポートフォ リオマネジャー、ピーター・ソレンティーノ氏は電話インタビューで、 「心理面からくる上昇だ」とし、「欧州は希望を捨てていない。ユー ロを強く保ち、ドルの代替として維持したいという願望がある。問題 は、ドミノ倒しを回避するメカニズムがあるかどうかということだ」 と指摘した。

欧州の債務危機が悪化する中、世界経済はリセッション(景気後 退)に陥るとの懸念を背景に、S&P500種は4月末から8月8日ま でに18%下落した。それ以降、同指数は6.2%戻した。

押し目買い

ギリシャのパパンドレウ首相およびサルコジ仏大統領との電話会 談を終え、メルケル独首相はギリシャが将来もユーロ参加国としてと どまると確信している。ドイツ政府のザイベルト報道官が明らかにし た。電子メールでの声明によれば、メルケル首相はギリシャによる財 政調整プログラムの完遂は「これまで以上に重要であり、今後の支 援融資の支払い条件だ」との認識を示した。

アテネとパリで配布された声明によると、パパンドレウ首相は、 国際救済策で条件の一つである財政赤字削減目標を達成する決意を 表明した。これを受けてギリシャのデフォルト懸念が和らいだ。

パイオニア・インベストメンツの運用担当者、ジョン・キャリー 氏は電話インタビューで、「安心材料による上昇だ」と指摘。「ここ 2―3日のあいだ、ドイツはギリシャの支払い能力や資金力を維持す る取り組みを放棄するのではないかという憶測があった。株価は相当 下げた。わずかでも好材料となり得る報道があれば、押し目買いが出 やすい状況だ」と解説した。

中国の支援

中国が欧州を支援する可能性があるとの楽観的な見方が広がった ことも、相場を押し上げる材料となった。中国は債務危機に見舞われ た国の国債を購入する意向があると中国誌・財経が14日、ウェブサ イトで報じた。中国国家発展改革委員会(発改委)の張暁強・副主任 とのインタビューを基に伝えた。

株式相場は朝方、7月の米企業在庫の伸びが予想を下回ったとの 発表を受け、下落する場面があった。この日の統計では企業が需要減 退に備えていることが示唆された。この日発表された8月の米小売売 上高は、予想に反して伸び悩んだ。雇用の悪化などを背景に消費者は 支出を抑えており、景気失速のリスクが浮き彫りとなった。

景気敏感株で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数 は1.7%上昇。GEは2.5%高の15.79ドル。ホーム・デポは

2.7%高の33.54ドルだった。モンサントは3.1%高の69.47ドル、 フェデックスは1.4%高の76.01ドルとそれぞれ値を伸ばした。

デルは3.3%高の14.86ドル。今回の自社株買い承認分は5- 7月(第2四半期)末の現金・投資残高に追加される。前回承認され た自社株買い枠は21億6000万ドルが残っている。同社は今年前半 で160億ドル相当の自社株買いを実施した。