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欧州の銀行を襲うリーマン破綻時の「疑心暗鬼」-預金流出が鮮明に

【記者:Yalman Onaran】

9月14日(ブルームバーグ):欧州の銀行から預金が失われつつ ある。債務危機によって動揺した貯蓄家やマネーファンドが安全な資 金逃避先を求めており、こうした傾向が続けば、経済・金融情勢の悪 化を助長する恐れがある。

ギリシャの銀行の預金量はリテール(小口金融)と機関投資家を 合わせて過去1年間で19%減少し、アイルランドの金融機関では過去 1年半で約40%急減した。欧州連合(EU)の金融機関は相互の貸し 出しに慎重になり、米国のマネー・マーケット・ファンド(MMF) はドイツとフランス、スペインの銀行への投資を縮小している。

欧州中央銀行(ECB)が約5000億ユーロ(約52兆6500億円) 相当の臨時の資金供給を行っているにもかかわらず、銀行は融資を抑 制しており、各国の経済成長鈍化の一因となりかねない。金融機関は 預金を集め、維持するために高い金利の支払いを余儀なくされている。 イタリアの場合、小口投資家への金融債の販売で預金の5倍の金利を 提供せざるを得ない状況となっており、収益の打撃となることが予想 される。

エクスペリス・ファイナンス(米ノースカロライナ州)のシニア エコノミスト、カシュ・マンゾーリ氏は「全ては欧州の金融セクター に存在する多くの不安を表す兆候だ。欧州の銀行同士でさえ、もはや 互いを信頼せず、欧州連合(EU)のシステムの外に資金を移そうと していることを示している。2008年に世界的に発生した疑心暗鬼の状 態とよく似ている」と話す。

ギリシャだけではない

ギリシャ銀行(中央銀行)のデータによれば、ギリシャの銀行へ の金融機関の預金量(全体の21%に相当)は2010年初め以降で30% 余り減少し、金融機関以外の企業と居住者の預金量は9%減った。

一方、ECBの統計によれば、ドイツの銀行への金融機関の預金 量(全体の3分の1に相当)はこの間の減少率が12%となっており、 リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破綻した08年9月以降 では24%に達している。フランスの銀行の場合は金融機関からの預金 が全体の半分を占めるが、昨年6月以降で6%減少。スペインの銀行 の同種の預金は全体の20%程度にすぎないが、昨年5月以降で14% 減っている。

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