ユーロ反落、欧州債務懸念でリスク回避圧力-ギリシャ独仏会議注視

東京外国為替市場ではユーロが反 落。欧州債務問題への懸念がくすぶるなか、軟調な株価を背景にリス ク回避に伴う売り圧力が強まった。市場関係者はこの日行われるギリ シャと独仏の電話首脳会議の行方に注目している。

ユーロは対ドルで前日の海外市場で1ユーロ=1.37ドル前半ま で上昇する場面が見られたが、この日の東京市場では一時、1.3591ド ルまで反落。対円では1ユーロ=105円半ば付近から一時、104円55 銭まで下落した。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の久保信明バイスプ レジデントは「フランスの金融機関の格下げもあるし、ギリシャ救済 に向けては障壁も見える。良い材料もあったが悪い材料もあったとい うのがきのうの時間帯で、それを十分に消化し始めているところだろ う」と指摘。「東京時間は株も崩れてしまって、全般的にリスク回避的 な動きになっているので、当然ユーロは売られやすかった」と説明し た。

一方、ドル・円相場は1ドル=76円後半を中心にもみ合った。正 午前には対ユーロや対豪ドルでドル買いが強まり、ドル・円も一時、 77円07銭までドルが強含んだが、77円台の滞空時間は短く、午後に は76円84銭までじり安となった。

ギリシャと独仏首脳、電話会議へ

ギリシャのパパンドレウ首相は現地時間14日午後7時(日本時間 15日午前1時)ごろにドイツのメルケル首相、フランスのサルコジ大 統領と電話会議を行う。電話会議ではギリシャとユーロ圏の動向を話 し合うという。パパンドレウ首相はその前に、6月に承認された財政 健全化5カ年計画に基づく進ちょく状況を閣僚らと協議する。

新生銀行キャピタルマーケッツ部の政井貴子部長は、ギリシャに 関しては今月中に第6次融資が実施されれば「とりあえず延命される」 とし、それに向けて時間稼ぎができるかどうか、まずは今夜の三者会 議での話し合いが注目だと指摘。ただ、もう一つの懸案事項である欧 州金融安定ファシリティー(EFSF)の拡充が各国で議会を通過し、 実現するか不透明なうちは、「ユーロの本格的な底入れにはならないだ ろう」と語った。

国際通貨基金(IMF)と欧州中央銀行(ECB)、欧州連合(E U)の欧州委員会のいわゆる「トロイカ」の代表団は、ギリシャ救済 融資についての第5回審査を完了するため19日にアテネを再訪する。 ギリシャ紙タネアがEUのファンロンパイ大統領の発言として報じた。 派遣団は査定後に昨年合意された救済融資の第6回分の実行の是非を 勧告する。

中国首相、「欧州支援拡大の用意」

中国の温家宝首相は、中国が欧州への支援を拡大する用意がある と述べ、欧州投資を今後も拡大していく方針を明らかにした。大連で 14日開幕した世界経済フォーラムの夏季ダボス会議の冒頭演説で発 言した。温首相はユーロ圏の債務危機は拡大しつつあるとの認識も示 した。

また、中国人民銀行(中央銀行)貨幣政策委員会の李稲葵委員は、 中国は信頼感の安定を図るため、イタリア国債の購入を短期的に継続 する必要があるとの見解を明らかにした。一方で、中国が欧州の国債 をやみくもに購入すれば、改革が実行されない場合、問題を長引かせ るだけとなる恐れがあると警告した。

イタリア下院は14日、540億ユーロ(約5兆6900億円)の財政 緊縮策の信任投票を実施する。同国が前日に実施した国債入札では借 り入れコストが急上昇した。

ガイトナー米財務長官は、16、17の両日にポーランドで開かれる EU財務相会合に出席する。ユーロ圏の当局者が明らかにしたところ によると、財務長官はユーロ圏の当局者に危機対応の戦略を強化する よう促す方針だ。

一方、インド財務省の経済問題担当者、R・ゴパラン氏は、新興 5カ国(BRICS)を構成するブラジルやロシア、インド、中国の 財務相が、欧州諸国の債務危機克服を支援する手段を協議する会合を 22日に開催することを明らかにした。

仏銀格下げ

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスはフランス の銀行クレディ・アグリコルの長期格付けを「Aa2」と従来の「A a1」から引き下げた。ギリシャ関連のエクスポージャーが理由。ム ーディーズはまた、ソシエテ・ジェネラルの債務と預金格付けを1段 階引き下げ「Aa3」とすると発表した。一方、BNPパリバの長期 格付け「Aa2」は据え置いた。ムーディーズはBNPの信用力に対 する資金調達困難の影響について検討を続けるという。

前日の海外市場ではフランスの大手銀行が資金調達をめぐる懸念 を否定したことで、欧州債務問題に対する過度の警戒が和らぎ、欧米 株が上昇した。

一方、14日の東京株式相場は反落。アジア株や米株価指数先物も 軟調で、投資家のリスク回避姿勢の高まりが意識されるなか、外国為 替市場ではユーロや資源国通貨を売って、逃避通貨としてドルや円を 買う動きが優勢となった。

オーストラリア・ドルは対ドル、対円で約1カ月ぶり安値へ下落。 オーストラリア統計局はこの日、消費者物価指数(CPI)の季節調 整の新たな計算手法を公表した。新たな計算手法を適用すると、4- 6月(第2四半期)のトリム平均CPI上昇率は前期比0.7%、加重 平均CPIの上昇率は0.5%となる。豪統計局は7月27日時点で4- 6月のトリム平均および加重平均CPI上昇率を前期比0.9%と発表 していた。

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