【コラム】円のペッグ制導入、実行するなら今しかない-W・ペセック

日本が10年来やりたくてうずうず していたことを実行に移す時が来た。それは円のペッグ(連動)制導 入だ。

為替レートほど日本の経済政策当局者の心をかき乱す問題はない。 日本は3月11日の東日本大震災からの復興や景気のてこ入れ、債務の 削減、高齢化への備えを進める必要があるにもかかわらず、過去2年 で20%余り高騰した円相場に当局者は四六時中、心を奪われている。 それならば、日本株式会社が満足するような水準に円相場を固定して、 もっと重要な問題に取り組んでみてはどうだろうか。

国際社会からの反発を政府が懸念しているのなら、心配無用だ。 投資家はスイス当局によるフラン相場の上限設定に動揺していない。 国際通貨基金(IMF)はユーロの救済に忙しく、日本を非難する時 間はない。ドル相場の押し下げに懸命な米国に何が言えるだろうか。 新たな世界通貨戦争を始めればいい。

今の状況は、アジア通貨危機を最悪だと考えていた1997年がはる か昔の古き良き時代だったことを教えてくれる。当時、マレーシアの マハティール首相はリンギットのペッグ制導入で悪者扱いされた。し かしリーマンショック後の世界では、従来型の経済学的思考は常に変 わり続けるのだ。

仮に日本が円をペッグするとした場合、対象通貨を選ばねばなら ず、それはドルか人民元になるだろう。2年前なら元に連動させるこ とは突飛なアイデアとされただろうが、今や中国は日本にとって最大 の貿易相手国だ。一方、米国では消費者が際限のない倹約モードに入 っている。

目的が手段を正当化

円のペッグ制導入は、日本の苦悩の全てに対する答えであるとは 限らないし、20年間も精彩を欠き、硬直化して老化した日本経済を大 胆に改革する必要が生じる。しかしそれでも政策当局者を解放して本 当の逆風に立ち向かわせることになるなら、目的がその手段を正当化 するかもしれない。 (ウィリアム・ペセック)

(ペセック氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。 このコラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:Japan Should Just Peg the Yen and Move On: The Ticker(抜粋)

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